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箱、無音、窓辺にて 6KB 考証 小ネタ 野良ゆ 透明な箱 現代 独自設定 透明な箱メインです ・19回目 ・普通のれいむです。 ・ぬる虐めです。 ・アイデア勝負! と言いたいですけど、多分ネタ被ってます・・・。 ・タイトルはもじりです。 ・ていうかSSじゃない。 ・ヨロシクオネガイシマス ゆっくりは煩い。 それはもう煩い。 何も言わずとも、それは分かっていると思う。 僕は、ゆっくりが嫌いな訳ではないし、あの愛くるしい見た目は好きだ。 生首なのに可愛いってのが良い。 ただ、口を開けばコンポを大音量に設定したときくらい煩いのだけは気に食わない。 舌を引き抜いても、まだ喋る。 喉を貫いても、まだ叫ぶ。 口を塞いでも、まだ話す。 ゆっくりの声帯はどこにあるんだろう。 ともかく、ゆっくりは喋らないほうが可愛い。 俗に言う口を開かなければ可愛いってやつだ。口は災いの元とも言う。 そこで、ある日思いついた。 ゆっくりは見たいけど、ゆっくりが煩いのは気に食わない。 じゃあ、音を無くせば良いんだと。 そう思い立った僕は、とりあえず音を無くす方法を見つけることにした。 最初は、レコーディングとかで使われるような防音設備を透明な箱に着けて、ゆっくりまりさを入れてみたけどあくまで無音じゃなくて防音。 中で騒ぐまりさの声がこちら側まで聞こえてきた。 残念ながら、期待したほどの無音じゃない。 ちなみにまりさはストレス死。虐待好きじゃない僕にとっては、その死に様が軽くトラウマだ。 やっぱり野生のゆっくりはダメだ。打たれ弱いし、死に際に内容物全部ぶちまけるとか行動が生々しい。 そこで更に調べたところ無響室というものがあることが分かった。 音というのは実際のところ、音波が持続的に反射してその振動を耳で捉える。 その音波を細かく反射拡散させて限りなく振動を小さくする。それが無響室とかなんとか書いていたけど、あきゅペディア見てもいまいち分からなかった。 まぁ、簡単に言うとみすちー殺しということ。歌唄えないと死んじゃうゆっくり。 ということで、とりあえずは作ってみた。 ベースは、ゆっくりの関連商品を独占している複合企業双葉と書いてソーヨーの透明な箱、成体ゆっくり2つサイズ。 防音素材の大きさの関係で、1つ分のスペースしか確保できなかった。 使ったのはグラスウールという綿みたいなガラス繊維が入った袋で、安い便利無害だけれど、水や湿気にに弱いという一長一短の資材らしい。 そのグラスウールを針金の枠と薄い布で作った楔状(簡単に言うと三角木馬みたいな形)の型の中に入れたものに加工。 それを透明な箱の内側になるべくスキマがないように何個も着けたもの。 形がいまいち分かりにくいから図1を参照しよう。 |-|-|-|- -|-|-|-| |-|-|-|- -|-|-|-| |-|-|-|- 図1(改行は詰まっていると脳内補完) まぁ、こんな感じのものが天井、壁、床にある。 床にはゆっくりを乗せるための金網を、楔の上スレスレに設置した。床に置くゆっくりの大きさ分、音を掻き消す楔を減らさないといけないので、こうしたほうが効率が良いらしい。 『無響室の仕組みは、楔の側面で跳ね返った音波が隣りの楔の側面に跳ね返るのを繰り返すたびに音波が小さくなっていく。これが細かく続くと限りなく無音に近くなるらしい。 要するに、みすちー涙目』以上、あきゅペディアより。 一回試作してみたけれど、ゆっくりを入れる前に気づいた。 グラスウールの楔をスキマなく取り付けたせいで、肝心のゆっくりが外側から見ることが出来なかったんだ。 せっかく、作った透明な箱成体2つサイズ:無音.ver第一号は残念ながら、僕の目的には遠いので、近所の虐待大好きなお兄さんに売った。 グラスウール代とかもろもろ合わせても、二万九百八十円はなかなか儲かった。 次に作った透明な箱成体2つサイズ:無音.ver第二号には、一号の問題点。 観察が出来ないという問題を、玄関のドアの覗き穴をそれぞれの面の真ん中に付けることで解消した。 |-|-|-|- -|-|-|-| |-|●|-|- -|-|-|-| |-|-|-|- 図2(脳内補完) まぁ、こんな感じのものを天井、壁、床に取り付けた訳で。 これで良し。 楔を合計6つ取り外すことになってしまったけど、多少はしょうがない。今後、楔の中へ内蔵できるようになどの改良をしていこう。 さっそく、実験をすべく眠らせた野良ゆっくりのれいむを入れた。金銭的に、飼育ゆっくりを実験に使う度胸がないから野良だ。今度は簡単に死なないと思う。 さて、どうなるだろう? れいむは起きた瞬間、多少狭いとは言え、久しぶりのゆっくりできる空間にいると気づき、即座におうち宣言をしようと大きな声で「ここはれいむのゆっくりプレイスにするよ」と言った。 はずだったが、自分の綺麗な声はどこにも聞こえない。 おかしいと思い、もういちど「ここはれいむのゆっくりプレイスだよ!」と言うがただ、自分が可愛い口を開けたという実感しかなかった。 あまりにも変だと思いあたりを見回すと自分の周りを良く分からないとんがりが取り囲んでいることに気づいた。 れいむは、「ゆっくりできないとんがりさんはゆっくりあっちいってね!」と叫ぶが、声は存在しないかのように聞こえない。 声が聞こえないのはゆっくり出来ないとなんとなく思い、急いで脱出しようとするが、自分のあんよがうまく動かないように気づいた。 れいむには理解できなかったが、金網の細かい網目に、うねるあんよが沈み込んでいた為に動くことが出来ないのだ。 いよいよれいむは、「もうやだおうちかえる!」と誰にともなく伝えようとするが、その声はもはや存在しない。 何故、声が聞こえないのか? 何故、あんよが動かないのか? 何故、このとんがりは自分の周りにあるのか? 野良ゆっくりにとっての、情報処理許容率を十分に超える事柄が餡子の脳内を駆け巡る。 「うわあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」 れいむは、発狂することで、考えることをやめた。 その悲痛の叫びも誰にも、れいむ自身にも響かない。 入れてから3日経っているのに覗いてみたら、まだ発狂している。 ・・・うん。実にきもい。主に顔がきもい。 無音状態になった点は成功したということで、いいんだけど・・・。 なんか、僕の求めていたものとは違う。 こう、僕の考えていたことはもっと・・・。 にこやかに笑ったり泣いたり怒ったりをするだけの、ぬいぐるみみたいなかわいいゆっくりだったのに。 何が足りないんだろう。 ああ、ゆっくり好きなのになぁ。 その後、いくら改良を加えても、入れるゆっくりをいくら変えても。 発狂するか自殺するか頭がおかしくなるかで、僕の求めるゆっくり像とはかけ離れたものだった。 もういい加減、虐待お兄さんに失敗作を売り払うのも飽きたころ。 彼は僕の作った透明な箱を、ソーヨーに売り込んでいた。 それに気づいたのは、テレビで僕が作ったものと瓜二つのものが新発売するというCMを見たときだった。 抜け目がないというか・・・そういう手もあったのか。 その透明な箱:無音.verは、僕の手を離れて、ソーヨーの開発部門で、僕が初期に行った加工をナノ単位で行うという画期的なシステムが発明された。 それは、後に透明な箱の正式仕様の一つとなった。 アイデアを取られた形になったけれど まあ、僕は別に印税みたいなものはいらないから、満足している。 今、こうして窓辺に置いたゆっくりれいむとゆっくりまりさが、にへらとしながら口をパクパク開けているから。 僕の妄想は叶った。 アトガキ 透明な箱の構造ってどうなってるのかなぁと考えてたら、デフォルトで何もせずに防音って出来るのかと思って書いてみました。 野良ゆっくり設定はスィークリングの野良ゆっくりの定義です。 冒頭の知識はペディア先生のを流し読んで独自解釈したんだ間違えているところだらけだと思います。ペディア先生は偉大です。うん。 透明な箱。一回イメージというか、近い物を見てみたいなぁ・・・。 ご読了ありがとうございました。 やまめあき(仮) 【妄想で書いたもの】 かり ・ふたば系ゆっくりいじめ 963 ト● ・ふたば系ゆっくりいじめ 990 くちばしにチェリー ・ふたば系ゆっくりいじめ 1000 デスクトップガジェット ・ふたば系ゆっくりいじめ 1018 ゆっくりつくーる ・ふたば系ゆっくりいじめ 1054 夢想天生 ・ふたば系ゆっくりいじめ 1064 スペクタクルスパイダーウーマン ・ふたば系ゆっくりいじめ 1091 つるべおとし ・ふたば系ゆっくりいじめ 1118 ゆっくりのおもちゃ ・ふたば系ゆっくりいじめ 1123 いまじん ・ふたば系ゆっくりいじめ 1142 スポイラー ・ふたば系ゆっくりいじめ 1163 ラブドール ・ふたば系ゆっくりいじめ 1172 益虫? 害虫? ・ふたば系ゆっくりいじめ 1189 スィークリング ・ふたば系ゆっくりいじめ 1214 てゐ! ・ふたば系ゆっくりいじめ 1227 ゆっくりは生首饅頭の夢を見るか? ・ふたば系ゆっくりいじめ 1235 箱、無音、窓辺にて どろわ ・つんつんつんつくつんつくつんつん ぬえ ・山女って可愛いよね ・女はつらいよ トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 印税要らないとかブルジョアなのかぁー -- 2012-09-03 22 04 50
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2142.html
(この話は、「ゆっくりボールのあそびかた」に、私アイアンマンが勝手に続編を書いたものです。原作者さん、ありがちょうね!) ■ゆっくりボールのあそびかた・勝手に後日談 日暮れ後の森の中。大きめの巣の中で、ゆっくりの子供たちが輪になって、楽しそうに遊んでいる。 「ゆっくり!」 「ゆゆぅ、ゆっくり! 「ゆん! ゆっくち!」 一声かけるたびに、ボールをポンッと押し戻す。円陣の向かいにいる子が、それを別の方向へ蹴る。 人間で言う、蹴鞠(けまり)のような風景だ。 使っているのは、茶色のぺらぺらしたものを巻きつけたボール。 子ゆっくりと同じぐらいの大きさで、何が入っているのか、ポヨポヨして柔らかい。 「ゆっくりっ!」 「きたよ、ゆっく!」 ポンッと蹴り戻し、ころころと当てる。すべすべしてとても転がしやすく、子供たちはとても気に入っていた。 「おちびちゃんたち、たのしんでね!」 「ゆっ! とってもおもしろいよ!」 「おかあさん、ゆっくりありがとうね!」 「ありがちょう! ゆむっ!」 礼を言われて、ニコニコしながら見守る親まりさと親れいむ。 この二匹は昼間、外で子供を一匹見失ってしまった。ずっと探し回っても見つからず、心配でぐったりしかけていた。 だが、その代わりにというべきか、親切な人間のお兄さんにこんなボールをもらえた。 子供たちの元気な様子を見ていると、ぐんぐん元気が回復するようだった。 夫婦で見詰め合って、ささやく。 「ゆう、れいむ、きょうはみつからなったけど、あしたはおちびちゃんをみつけようね!」 「そうだね! ゆっくりみつけようね!」 満ち足りた、幸せそのものの時間だった。 「さあ、そろそろおねむのじかんだよ!」 「ゆっくりねようね、おちびちゃん!」 「「「ゆっくりねんねしようね!」」」 その日はボールを部屋の隅に置いて、寝についた。 大きな母れいむと母まりさを中心に、家族がぴったりくっついて眠る。 「ゆぅ……ゆぅ……ゆふふ……」 「おかーちゃん……むにゃむにゃ……」 「ゆっくち!」 やわらかなほっぺた同士をすりすりしあって眠るのは、最高のきもちよさ。 とてもゆっくりできる夜を、家族はいつものように過ごした。 コロリ、とボールがわずかに転がった。 次の日も家族はいなくなったれいむを探したが、見つからなかった。 その次の日も、次の日も。 「れいむのこどもがああぁぁぁ!」 「ばりざのこどもお゛お゛ぉ゛ぉ゛!」 探している最中だけは悲しみ続けたが、悲しむことも続けられないのが、ゆっくりのゆっくりした性。 「まりさ……こんなにさがしてもみつからないよ……」 「しかたないよ、れいむ。おちびちゃんはどこかできっとゆっくりしているよ……」 慰めあって、いつしか忘れていった。 日一日と日時がすぎる。その間、子供たちは毎日、ボール蹴りを楽しんだ。 「ゆゆっく!」 「ゆっくりぃー!」 こんなによく跳ねるボールは初めてで、みんなはとっても楽しんだ。 毎日続けたせいでキック力も上がり、思い切りぼこんべこんと蹴れるようになった。 「ゆぅーと!」 ポンッ! ごろごろごろごろ……バシッ! 勢いよく壁にぶつけて、人間の遊びのまねをしたりした。 しかし、そんなことが出来たのも、一週間ぐらいのこと。 子供たちがうまくなるのと反対に、ボールは弾力を失ってきた。 まるで中身が乾いてスカスカになってきたみたいに。 八日目に、子供たちは両親に頼んだ。 「おかーさん、ぼーるがべこべこになっちゃったよぉ」 「ゆっくりなおしてね!」 子供たちが囲んで持ってきたボールは、地面に接する辺りがべっこり潰れている。 それを見た母れいむが、ピコンと電球をともして思いついた。 「ゆっ、それはくーきがぬけちゃったんだよ!」 「くうき?」 「そうだよ! にんげんのぼーるはくーきが入ってるって、ぱちゅりーからきいたことがあるよ! ゆっくりなおしてあげるね!」 そういうと、母れいむはボールはボールをころころと転がして、空気穴を探した。 あった。一箇所だけ小さな穴がある。 顔を近づけると、かすかにひゅうひゅうと空気が漏れるような音がした。 「ここからくうきをいれるんだよ! おちびちゃんたち、よくみててね!」 そう言って、母れいむは空気穴だと思い込んだ場所に、口をつけた。 「いくよ、ゆぶうぅぅぅぅぅぅぅ……」 自分の体の大きさの三分の一ほどのボールに、思い切り空気を吹き込んだ。 ぎゅぅぅぅっ、とボールの中からまるで苦しがっているような声が聞こえるとともに、べこん、とへこみが元に戻った。 子供たちがわっと浮き立つ。 「なおったよ、おかーしゃん!」 「おかーさん、すごーい!」 「おかあさんはとってもゆっくりできるおかあさんだね!」 みなに誉められて、照れ照れと赤くなるゆっくりれいむ。 それを見て、自分も威厳のあるところを見せたい、と思ったゆっくりまりさ。 「ゆっ、つぎはまりさがぷーっするぜ! ぱんぱんにしてやるぜ!」 「おとーしゃん、ゆっくりがんばってね!」 こどもたちの声援を受けて、れいむと場所を変わるまりさ。 空気穴に口をつけ、力いっぱい吹き込んだ。 「ゆぶぅぅぅぅぅ……!」 ぎゅぅぅぅぅぅぅっ、と前より激しい音が聞こえたとともに、ボールの反対側で、むりっ! という音がした。 「ゆ?」 「ゆゆっ?」 いぶかしがるまりさ。不思議がる子供たち。 そのときボールの反対側で起こったのは、漏れだった。 重なり合ったガムテープとガムテープの中に、わずかに重なりの薄い、隙間のようなところがあったのだ。 そこだけは、他の部分よりもはるかに強度が弱かった。 何しろ中身は饅頭だ。 内部からそこに圧力が殺到した結果、隙間から白いものが「むりっ!」と持ち上がった。 まるで、焼けて破裂する寸前のお餅のように。 「わぁい、にゃにかしろいものが、ふくらんできちゃよ!」 無邪気に赤ゆっくりがぴょんと喜んだのもつかの間。 その膨張部が、突然破裂した。 パァン! 空気の音とともに、乾きかけてパサパサになった餡子が噴出した。ビチャッ! ともろに顔に浴びて、赤ゆっくり悲鳴を上げる。 「ゆゆうっ! にゃにこれー、あまいよぉ!?」 甘い? 不思議におもった親まりさは、ハッと気づいて、ボールに目を落とした。 この大きさ……どこかで見たことがあるような? そして、一週間転がされて半ば剥がれかけていたガムテープの端を口にくわえ、一気に引っ張った。 ビリョビリョビリョビリョビリョリョリョ! くるくるとテープがほどけていくとともに、黒い髪、白っぽい肌、そして赤いリボンが現れた。まりさが空気穴と思っていたのは、お兄さんがたくみに残したれいむの口の一部だった! 「ゆげええええええええ!!? まっまっばりさのおちびぢゃああん!?」 「ゆわあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛! れいむのおぢび゛ぢゃぁぁんぁんん!!」 「おねえぢゃぁぁんんん!?」 「ぎゅああああ!? ゆっぐぢできない゛い゛い゛!?」 ぐるぐるビリョッ! とテープがはがれる同時に、その子の惨状が明らかになった。 体は全身赤黒いアザだらけで、饅頭というよりモナカのようにパサパサに乾ききり、ひび割れている。 そんな乾いた肌からガムテープを力いっぱいはがされたので、ボサボサに皮膚が剥がれている。 ほっぺの肌が剥け、後頭部が髪の毛ごとごっそりはげて、まるで虫食い状態だ。 それにくわえて、いま後頭部から大量の餡子を噴出してしまった。 どうやらそれが致命傷になったらしく、白目になりかかった半眼で、「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っ」と痙攣している。もう数分ももたないだろう。 まりさとれいむ一家は、あまりことに脳がパンクしかかっていた。 おちびちゃんがどうしてここにいるんだろう? しんだんじゃなかったの? もしかして、ずうっとここにいたの? それじゃあ……自分たちが毎日蹴っていたのは……。 え? え? あれ? それって、つまり……。 れいむたち、まりさたちは、大事な娘の、姉妹のれいむを、一週間も飲まずくわずで蹴り続けて、……半殺しにしちゃったの……? 「ゆゆぐっ……ゆげええええええ!!!」 「おぢびちゃあん、ごべんねええ゛えげげげええええええ!!!」 「おっおっおねえぢゃあああんえ゛れえ゛れえ゛れえ゛れれれれれれ!!!」 「れいぶうぅぅぅぅ!!! おべええええぇぇぇぇぇ!!!」 死にかけのれいむは囲んだ家族は、その子のぞっとするような苦しみを想像して、あっという間に嘔吐し始めた。 餡子と餡子が交錯し、床にびたびたと盛り上がる。盛大な阿鼻叫喚だ。 みるみる壊れていく家族の真ん中で、もはや目の焦点も合わないボールのれいむが、途切れ途切れにつぶやいた。 「もっと……ゆっくり……したかっ……ゆべぇっ!」 開いた口から、パサパサの硬くなった餡子をぶぷっと吹いて、れいむは死んだ。 「ゆげえええええええ」「え゛ろえ゛ろえ゛ろえ゛ろえ゛ろ」 悲痛なゲロの音が、巣の中に響き続け、やがてひとつずつ絶えていった。 アイアンマン これまでに書いた話 # ゆっくりいじめ系1084 ゆっくり実験01 # ゆっくりいじめ系1093 ゆっくりエレエレしてね! # ゆっくりいじめ系1098 アストロン対策 # ゆっくりいじめ系1246 二人のお兄さんと干しゆっくり # ゆっくりいじめ系1279 れいむよ永久に安らかに このSSに感想を付ける
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不良品の証 13KB 制裁 小ネタ 自業自得 家族崩壊 飼いゆ 都会 独自設定 風呂敷広げておいてごめんなさい ※独自設定垂れ流し。 ※設定文章が多くてごめん。 ※36番あき様の「きんのまりさ と のられいむ」10頁目よりインスパイアされています。 ※36番あき様愛しております。いつもシビれる展開でイきまくりです。 「不良品の証」 必殺引篭り人 「…おい、まりさ。これはなんの冗談だ?」 お兄さんは呆然としていた。飼いゆっくりのまりさと一緒にいたもの。それは野良れいむ。しかも 頭には4匹の赤ゆっくりを実らせている。 「ゆっ、おにいさん!れいむをしょうかいするよ!まりさのたいせつなぱーとなーだよ!」 お帽子に金バッジが燦然と輝いているまりさ。その笑顔もまた輝いている。 「…金バッジ試験で勉強したこと、もう忘れたのか?」 「もちろんおぼえてるよ!」 「じゃあなんで野良とすっきりーしてんだ?」 「ゆっ!のらじゃないよ!れいむは『とくべつなのら』だよ!ゆっくりりかいしてね!」 「はあ?野良には違いないだろ?お前、金バッジゆっくりは野良とすっきりーしちゃいけないって あれだけ教えただろ!」 「ゆゆぅ!だかられいむはのらじゃないよ!『とくべつなのら』だよ!まちがえないでね!」 まりさは真剣だ。どうやら自分が選んだれいむはただの野良ではなく特別な野良ゆっくりであって、 すっきりーしても野良ではないから大丈夫、ということらしい。 お兄さんは脱力してしまった。あれだけ苦労して、やっととった金バッジ。それなのにあっという間に その努力をぶち壊してくれたのだ。 お兄さんは怒っていいのか、悲しむべきなのか、それとも滑稽すぎて笑えばいいのか、わけの分からない 理屈で野良じゃないと言い張る浅はかさにあきれればいいのか、まったくわからなかった。もしかしたら その全部なのかもしれない。 まりさの後ろにいるれいむはどうやら控えめな性格らしく、野良らしからぬおとなしさだ。さすが にゆっくりを見る目だけは曇ってはいなかったようでそこだけは安心した。これででいぶなど連れて 来られた日には即潰している所だ。 「…特別だろうがなんだろうが、バッジを持ってないゆっくりとすっきりーしたら金バッジじゃなく なるんだよ。それも教えただろう?」 「おにいさん!まりさはきんばっじさんなんだよ!だからとくべつなんだよ!とくべつなまりさが えらんだれいむは、やっぱりとくべつなんだよ!ゆっくりりかいしてね!」 まったく話にならない。増長しているわけでも、ゲスになっているわけでもない。マジで信じ込んでいる らしい。 まりさはペットショップ出身だった。しかもバッジなしの格安品。銀バッジ取得用の教育を受けていた にも関わらず、試験に落ちてしまったゆっくりなのだ。お兄さんは別にバッジにこだわっていたわけでは なかったので、安くなっていたまりさを選んだ。 飼ってみてわかったのは、まりさがかなり浅はかな性格だということだった。深く考えることをせず、 ほとんど脊椎反射のようにあっさり決めてしまうのだ。これでは銀バッジ試験に落ちるだろう。 しかしお兄さんは気にしなかった。馬鹿な子ほど可愛い、というわけでもないがあまり賢すぎても つまらん、と思っていたからだ。 そんなまりさが自分から金バッジをとりたい、と言ってきたのには驚いた。どんな心境の変化があったの やら、金バッジ取得に意欲を燃やすまりさに触発され、お兄さんは強力に後押しをした。 金バッジ取得のためにお兄さんは参考書や問題集を読みまくった。まりさも試験に向けて毎日の猛特訓 に励む。 金バッジゆっくりは野良から疎まれたりうらまれたりしやすい。そういうゆっくりからの攻撃から身を 守るため、ゆっくりとしてのもっとも重要な特性、クセを矯正する訓練を行うのだが、そこで いきなりつまづいたのだ。 お飾りを取られて動揺させる、バッジ取得ゆっくりに対する攻撃はこれがもっとも多い。何よりお飾り を大事にするゆっくりである。そこを攻撃されると弱い。 お飾りを盗まれても動揺しないよう、まりさは毎日家の中でお帽子を脱ぐことを義務付けられた。 はじめはジタバタと泣きわめいてお兄さんを困らせていたまりさ。この時点で金バッジ取得をあきらめる ゆっくりも多い。 次に多い攻撃は「ゆっくりしていってね」のお返事を狙われること。ゆっくりはこのセリフを言われたら 必ず返事を返してしまう。そこを狙われる。そのため金バッジゆっくりは決して返事を返さないよう 矯正される。 まりさはここでもつまづいた。何度やっても返事をしてしまうのだ。そのたびにお兄さんからビンタを くらう。 銀バッジ教育を受けているとはいえ、まりさはやはり浅はかな性格でなかなか勉強がはかどらない。 普通のゆっくりであればこのようなゆっくりできない日常を嫌い、バッジ取得をあきらめるところだ。 しかしまりさはあきらめなかった。弱音を吐くこともあったが、それでも金バッジに向けて日々努力 していた。そんな姿に、お兄さんも心打たれていたのだ。 それが今日、打ち砕かれた。 おそらくこのれいむとは金バッジ取得前から知り合いだったのだろう。金バッジ取得にあれだけ こだわったのは、れいむと番となり一緒にこの家でくらすためだったのだ。 まりさにゲス資質はなかった。それは一緒に暮らしていたから確信している。ゲスではなかったが 思慮が足りなかった。足り無すぎた。金バッジという特別なゆっくりになればれいむと一緒になって も問題ないと考えたのだろう。 お兄さんは無表情のまま呆然としていた。まりさはそんなお兄さんを必死に説得し続ける。ただ その内容は金バッジゆっくりだから~、とかれいむは特別だから~、とかまったく説得力のない ものだったが。 呆然としながらもお兄さんは考えていた。ともかくなんとかしなければ。 お兄さんはまりさの帽子から金バッジをはずす。 「おっ、おにいさん!かえしてね!まりさのきんばっじさんかえしてね!ゆわあああん!」 「…。」 「それはまりさのだよ!まりさががんばったからとれたんだよ!かえしてね!」 お兄さんの心にふつふつと怒りがわいてくる。自分のもの、だと? お兄さんは無言で部屋を出て行く。静かな怒りをたたえたまま、お兄さんは工具を探し、金バッジの 裏に刻印されていた数字をすべてつぶしていった。 部屋に戻るとまりさがいまだに泣きわめいていた。やれ自分のものだの、お兄さんはひどいだのと いった感じだ。泣きわめく後ろで、頭に茎を生やしたれいむがおろおろしていた。 お兄さんは金バッジをまりさの帽子にもう一度つけて言った。 「もうお前はうちの飼いゆっくりじゃない。今からお前は野良だ。」 それを聞いて、まりさは泣くのをやめた。 「…おにいさん、まりさをすてるの?」 「当然だろう。金バッジゆっくりの決まりを守れないようなゆっくりは飼いゆっくりじゃない。」 「ちがうよ!まりさはきんばっじさんだよ!ゆっくりりかい」 「しないよ。本当に馬鹿だなお前。飼いゆっくりってのは飼い主の言うことを守るものだ。守らない のは飼いゆっくりじゃない。せめて殺さないでやる。あとは自分でどうにかしろ。」 「ゆっ!かいゆっくりをすてるのはほーりつできんしされてるよ!」 「そういうことは決まりを守ってから言いな。」 「まりさをすてるとおにいさんがひどいめにあうよ!」 「…ぷっ。そうか、酷い目に会うか。じゃあ試してみようか。 ともかく、お前は捨てる。野良になって世間の厳しさを勉強して来い。」 そういうとお兄さんはまりさとれいむをダンボールに入れ、人気の少ない空き地に捨てた。お兄さんは まりさに、家に戻ってきたら加工所に連れて行くと言って去っていった。 「まりさぁ…、これからどうするの?」 「しんぱいしないでね、れいむ!まりさはきんばっじさんだよ!だからすぐにあたらしいかいぬしさん がみつかるよ」 「…そうだよね!れいむのまりさはきんばっじさんだもん!だいじょうぶだよね!」 「それにこんなにかわいいおちびちゃんたちがいるよ!これをみせればどんなにんげんさんでも すぐにかいぬしさんになってくれるよ!」 「ゆゆっ!そうだね!じゃあさっそくかいぬしさんをさがそうね!」 「「ゆっ、ゆっ、おー!」」 まりさは落ち込まなかった。大好きなれいむとのこれからがあったからだ。そう、どこまでも 浅はかだった。 人通りの多い道。まりさは道を歩く人たちに声をかける。 「おにいさん!まりさはきんばっじさんだよ!だからかいゆっくりにしてね!」 声をかけるまりさを見守るように、れいむは道のはしっこに寄っていた。 「おねえさん!まりさをかってね!れいむとのかわいいおちびちゃんもいるよ!」 しかしまりさが何度声をかけても、誰もまりさを飼おうとする人はいなかった。たいていの人は 金バッジと聞いただけで去っていった。 たまに金バッジを手にする人も現れた。まりさはそんな人に見てもらおうと帽子を向ける。しかし バッジの裏側を確認すると、全員が立ち去っていった。 「なんでだれもまりさたちをかってくれないの…?」 「ゆうぅ…。どうするの、まりさ?もうまりさがもってきてくれたごはんさんがないよ…。」 「どのにんげんさんもみるめがないね!まりさはきんばっじさんだし、れいむはこんなにびゆっくり でおちびちゃんたちもすごくゆっくりしてるのに!」 「まりさ。かいゆっくりになれないならせめてごはんさんをもってきてね。そうじゃないとれいむ おちびちゃんたちにえいようがあげられないよ…。」 エサがなくなって2日目。れいむはだいぶ弱ってきていた。赤ゆっくりに栄養を吸われているのだ。 しかたなく雑草を食べてはいるが、まずい上に消化するのに逆に栄養を使ってしまう始末だ。 まりさは必死で道行く人に声をかける。しかしことごとく無視され、しまいには蹴り飛ばされる。 パリっとした自慢の帽子はぐしゃぐしゃ。きれいな金色だった髪はすすけている。どこから見ても、 立派な野良へと転落していた。 もうれいむは連れて来ていない。れいむが弱ってきていることも理由だが、番がいるというと即座に 人間が話を聞かずに帰ってしまうことに気づいたからだ。 「おにいざん!ばでぃざをがっでぐだざい!」 「うわっ!なんだコイツ!?」 「ばでぃざはきんばっじゆっぐぢでず!なんでもでぎばず!ゆうごどなんでもぎぎまず!だがら…。」 「服が汚れるだろ!」 人間の足にすがりつくまりさ。しかし逆に蹴り飛ばされてしまう。 「ゆべっ!…いだいよぉぉ…。」 だれもまりさを助けてくれる人はいなかった。 「おにいさぁぁん…。」 まりさは結局、お兄さんの家に戻ってきた。加工所に送る、と脅されていたがここしかもう行くところ がなかったのだ。後ろについてきているれいむはやせこけて飛び跳ねることもできなくなっていた。 「まりさ。何で戻ってきた。加工所に送ると言っただろう?」 「ぐすっ、まりざ、だれにもがっでもらえながっだよ…。ゆわーん! どうじで!?どうじでだれもがっでぐれないの!ばでぃざ、きんばっじざんなのにぃぃぃ!!」 その言葉にお兄さんは呆れ顔だ。 「…本当に思慮が足りないな、お前は。金バッジだからだれも拾ってくれないんだよ。」 「…ゆっ?」 「ゆっ?じゃないだろう。よく考えろ。金バッジゆっくりが番を連れて飼い主を探しているなんて ありえないだろう。勝手なすっきりーをしないのが金バッジゆっくりの約束なんだから。 つまり番がいる時点で勝手な行動をするゆっくりだってことがバレバレなんだよ。」 「…ゆぅぅぅ!?」 「それに金バッジが捨てられるってことはさ、捨てられるような酷いことをしたってことだろ? そういうことをするようなゆっくりを飼いたいバカがいるかよ。 バッジの裏を確認して立ち去った人間がいるだろ。あれは俺が捨てゆっくりのしるしとして バッジの裏の登録番号を潰しておいたからだ。 だから迷いゆっくりと勘違いする奴もいなかったろ?」 「ゆゆゆ…、そ、そんなぁ…。」 「だいたい、バッジを奪って自分がバッジ付きゆっくりだって身分詐称する野良がいるってのも バッジ試験の勉強で教えただろう?自分がバッジ付きだって言えば言うほど人間は疑うんだよ。 本当、こんな簡単なこともわからないんだな。…金バッジ試験、受かったのって奇跡だよな。」 「ま、まりさ…。なんで…、かんたんなこと…、わからないの…?まさか、きんばっじはうそなの?」 れいむはまりさの金バッジを疑い始めていたらしい。 「で、でいぶ、ぢがうよ!ばでぃざは、…ばでぃざはきんばっじざんだよ!じんじでね!」 「まあほとんどウソみたいなもんだよな。こんなバカなのに受かったなんて。何かの間違いだな。」 まりさは泣きながら必死で主張している。 「おにいざん!でだらめいばないでね!ばでぃざがゆーしゅーだったからうがっだんだよ!」 「優秀なら金バッジが自分のものだって言わないんだよ。」 そういうとお兄さんはまりさの帽子からバッジをはずした。 「ゆ゛っ!がえじでね!ばでぃざのきんばっじがえじでね!」 「そこが間違いなんだよ。金バッジはお前のものじゃない。人間のものだ。」 「うぞいわないでね!ばでぃざがどっだんだがらばでぃざのものだよ!」 「あのな、これも試験の勉強で教えただろう?人間の世界じゃ、飼いゆっくりってのは人間の所有物、 つまり『モノ』なの。その『モノ』が性能を証明するのが金バッジ試験。で、バッジは証明書。 ある人の所有物が確かに高い性能をもっている、そういうことの証明書として人間に発行されるのが 金バッジなんだ。飾りに取り付けるのはそのほうが分かりやすいから、無くし難いからってだけ。 バッジはゆっくりのものじゃないんだ。人間のためにあるんだよ。」 「…ゆっ、ゆぇぇぇぇん…。」 自分の信じていた一切が否定された。まりさはどん底だ。 「…わかったか?どんなに自分が浅はかだったか。」 お兄さんはそんなまりさをやさしくなでた。 「世間の厳しさにもまれて、少しは賢くなったか…?」 「ゆっ…、おにいざぁぁん…。ばでぃざがばぢがっでばじだ…。」 「…そうか。ようやく学んだか…。」 「ゆん…。まりさ、これからはいいかいゆっくりになるよ…。だから、もういちどまりさをかってね!」 お兄さんはその言葉にポカンとした。 「…え、何で?」 「……ゆっ?」 「いやだからなんで『ゆっ?』なんだよ。よく考えろってさっきもいっただろ? お前みたいな浅はかでバカなゆっくり、飼うわけないよ。 じゃ、これからも野良のゆん生を精一杯生きろよ!」 お兄さんはまりさとれいむを掴みあげると、力いっぱい外へと放り投げた。 「「おそらをとんでるみたいー!!」」 その後、まりさとれいむはエサもとれず、街の野良ゆっくりにも迫害され、逃げるようにして街を 出ることになった。さりとて郊外ではエサもなく、そのふがいなさを責められたまりさは、 「…さあ…、おたべ…なさい…。」 なけなしの体力を振り絞り、れいむと赤ゆっくりのための栄養となった。 まりさを栄養とし、赤ゆっくりはなんとか生まれたものの、当然ながられいむもエサを取ることが できない。そして同じく。 「おちびちゃんたち、さあ、おたべなさい!」 れいむも赤ゆっくり達の栄養となった。 赤ゆっくりはれいむを食べてすくすくと成長し、郊外のゆっくりが等しくたどるゆん生をおくった。 「からしゅしゃん!ゆっくちやめちぇね!」 「まりしゃのかりゃだをたべにゃいでね!」 「れいみゅおこりゅよ!ねこしゃんあっちいっちぇね!…ゆぎゃぁぁぁぁ!?」 …すんません。「バッジシステムの考察」とか大風呂敷ひろげておいてこの体たらくです。 次回はもっと自分に素直に、パッションの弾けるままをぶつけようと思います。 過去作品 ふたば系ゆっくりいじめ 563 エコを目指す加工所 ふたば系ゆっくりいじめ 551 真実を知るということ ふたば系ゆっくりいじめ 544 モチモチを生かして ふたば系ゆっくりいじめ 509 おかされいむ ふたば系ゆっくりいじめ 464 ゆ身売買 ふたば系ゆっくりいじめ 387 れいむはよげんしゃ ふたば系ゆっくりいじめ 248 ゆっくりできない理由 ふたば系ゆっくりいじめ 216 子まりさの反乱 ふたば系ゆっくりいじめ 182 どすすぱーくをうつよ! ふたば系ゆっくりいじめ 177 人間の畑だと説得してみよう ふたば系ゆっくりいじめ 147 陰口 ふたば系ゆっくりいじめ 111 効率化の道 必殺引篭り人の作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る れいむは生粋の野良なのになんで自力でエサ取れないんだよw -- 2017-01-18 01 37 56 最後のチビワロタ -- 2016-02-14 23 09 07 ととと特別な野良(笑) -- 2012-02-03 07 55 33 ↓でもれいむも当然ながらエサを取ることができないww どっちも馬鹿 -- 2011-10-14 22 15 35 こりゃれいむのほうが頭いいかもな -- 2011-09-30 12 30 42 この展開はゆっくり出来るね! 飼いゆが野良ゆと勝手に番になって捨てられる展開を初めて考えた人って マジで天才だと思う -- 2011-03-03 15 43 23 バッジシステムの評価方法に疑問しか感じないぜ! -- 2010-11-16 06 16 54 馬鹿の悲劇は可哀想と言いたい所だが… まりさをすてるとおにいさんがひどいめにあうよ! 何て言う糞饅頭には同情する気にもならんなw 膨らませて欲しいのには同意。もっと面白くなりそうです -- 2010-10-18 23 40 00 でもゲスでもないこのバカまりさじゃ制裁シーンがあってもあまり面白くなさそうだな -- 2010-09-04 09 17 09 もっと馬鹿まりさを酷い目にあわせてほしかったな。もっと悲惨なゆん生を送らせてほしかった。 -- 2010-09-03 11 44 03 次回作に期待するよ。 -- 2010-07-29 09 11 07 まぁ、勝手に番を作った上にすっきりー、挙句に自分が特別と勘違い、ただのゲスじゃん またはゲス予備軍、くたばって当然 -- 2010-07-12 01 55 57 ゲス制裁は仕方ない。バカの悲劇はかわいそう。 -- 2010-07-12 01 09 47 簡単にまりさを終わらせないでもっと悲惨な目に遭うのを見せれば・・・ -- 2010-06-26 02 02 56 もっとふくらませてよ・・・。 -- 2010-06-10 00 28 26
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ゆきのなか 35KB 虐待-普通 越冬 「餡子ンペ09」 ・餡子ンペ投稿作品:『親子/期待はずれ』 ・掲載ペースが落ちてると言われる昨今・・・忙しくて書けない時期もあるんですよ。 仕事って時期が重なるんですよね。 『ゆきのなか』 D.O 季節は冬。 ここは、人間の里から少し山の中に入った森の中。 しんしんと降り積もる雪の中、木の根元あたりに、 木の枝や小石が積み重ねられた奇妙な膨らみが見える。 「・・・っくちちちぇにぇ・・・」「すーり・・・むーしゃ・・・」「・・・ちあわちぇー・・・」 もしもここに人間がいて、周囲の音に注意深く耳を傾けたならば、 その膨らみの奥から、人間のしゃべるような声を、かすかに聞き取ることができたであろう。 そして、さらに注意深く周囲を観察すれば、同じような奇妙な膨らみは、 そこらじゅうの木の根元に見つけることができたはずだ。 そんな奇妙な膨らみの一つ、雪と、木の枝や小石に隠された奥には、木の洞がある。 そこには、つがいである2匹のゆっくり、群れの長まりさとれいむが住んでいた。 冬という、ゆっくりにとって死の季節の中にいながら、2匹の表情はとても明るい。 「まりさとれいむのおちびちゃん・・・もうすぐうまれるね。」 「ゆぅん。とってもゆっくりしてるね。」 「・・・(プルプル)」 「ゆぅ~ん。おちびちゃんがおへんじしてるよ~。」 なぜなら、おうちの入り口を完全に閉ざして越冬を開始してから数日、 このつがいの間には、間もなく新しい命が誕生しようとしていたからだ。 ここはゆっくりの群れの生息地。 木の枝や小石で作られた膨らみは、木の洞や洞穴など、巣穴の入り口を塞ぐためのバリケード、『けっかい』であった。 野生のゆっくり達は、雪の降るような冬の季節には、巣穴にこもってゆっくりと過ごし、 寒気を防ぐために入り口を堅く閉ざして、秋に蓄えた食糧で命をつないで春を待つ。 「どぼぢでごはんさんなくなっちゃうのぉぉぉおおお!!」 「ゆぁーん。おきゃーしゃん、おなかしゅいたー。」 「しょうがないよ・・・おぢびぢゃんは、でいぶにゆっぐりだべられでねぇぇぇええ!!」 「ゆびぃぃぃぃぃ!!どぼぢでしょんなことしゅるのー!?」 「もっちょ・・・ゆっぐぢ・・・」 と、たいていの場合、野生のゆっくりにとって、越冬は過酷であり、命がけのものだ。 十分な量の食料確保に失敗すれば、飢餓が親子にすら共食いを引き起こし、 それでも食料が不足すれば、体温を保てず凍死するか餓死する。 巣穴である『おうち』の作りがあまければ、積雪の重みで崩壊、雪と土の中で圧死。 巣穴が頑丈でも、入り口の塞ぎ方がダメだと隙間風でやはり凍死。 こうした悲劇を起こさないため、特に優秀なリーダーがいる群れならば、いくつもの対策を立てて 必死に被害を減らそうと努力している。 ドスまりさの力で頑丈な崖などに洞窟を掘り、共同住宅として群れ全員で冬を越す、 熟練のゆっくり達が協力して、群れのみんなの『おうち』補強工事を監督する。 食料が足りなかったら、人間さんの独り占めしているお野菜を強奪してくる、など。 そんな中で、何より注意されるのが、『越冬前にすっきりーして子供を作らない』ということだ。 「「すっきりー!!」」 「ゆぅん。れいむのかわいいおちびちゃんが、たくさんできたよ~。 まりさ、おちびちゃんのために、はやくれいむにあまあまをとってきてね!」 「なにいってるのぉぉぉおお!?おそとはゆきさんがふってるんだよぉぉぉおおお!!」 「だからなんだっていうの!?つべこべいわないで、はやくごはんをとってきてね!!」 びゅぅぅぅぅううううう 「しゃぶぃぃぃぃいいいいい!!!ゆっぐぢぃぃいいい!ゆっぐぢぃぃぃいいいいいい!!」 「れいむはむーしゃむーしゃするよ!むーしゃむーしゃむーしゃ・・・はぐっ!ばくばくっ!めっちゃうめっ!ぱねぇ!」 ・・・3日後 「どうしてごはんさん、なくなっちゃったの・・・・・・おちびちゃんをむーしゃむーしゃするよ・・・」 こんなことも当たり前のように起こる。 秋の半ば以降にすっきりーしようものなら、にんっしん中だけでなく、生まれてからも子育てのために、 つがいの一方は狩りに参加できなくなる。 越冬中にすっきりーしたりしたら、さらに最悪だ。 食い扶持の増加で貯蔵食料の計算は完全に崩れ、食糧不足で結局一家全滅となる。 つまり、厳しい環境下に生活する野生のゆっくりにとって、 冬+赤ゆっくり=死、というのは、ごくごく一般的な考え方なのだ。 だが、実は先ほどの長まりさとれいむのつがいだけでなく、この群れの中では、現在にんっしん中、 あるいは生後数日以内の赤ゆっくりを抱えた家族が大半を占めていた。 いかに若いゆっくり達とは言え、本能にまで刻み込まれた冬の恐怖を知らないはずはない。 では、なぜあえて越冬が始まった今、ゆっくり達は子供を作ることを選んだのか。 その理由を見ていくため、先ほどのつがいの一方、長まりさの生まれた春の中頃まで時間をさかのぼることにする。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 季節は春。 多くの野生ゆっくりにとっては、長い死の季節を乗り越えたあとの、喜びの季節である。 暖かな陽気。 新鮮で大量にある、ゆっくりした野草や虫。 食料の心配がなくなったことで、成体ゆっくり達はさっそくすっきりーに励み、 新たな命を迎えることでさらに喜びが積み重なる。 「まりさとれいむのおちびちゃん・・・もうすぐうまれるね。」 「ゆぅん。とってもゆっくりしてるね。」 ・・・・・・。 「そうだよね・・。」 「・・・そうだよ。」 ぶるぶる・・・ぷちんっ! ぽとっ! 「ゆぅ・・・ゆっく、ゆっくちちちぇっちぇにぇ!!」 「「ゆっくりしていってね!!!」」 まりさも、そんなベビーラッシュの中で誕生し、祝福を受けた赤ゆっくりであった。 だが、生まれて数日経ち、おうちから外を眺めて過ごすようになった赤まりさは、 春の陽気も楽しめず、あまりゆっくり出来ていなかった。 なぜなら・・・ここが岩肌も荒々しい、草木もろくに育たない高山の荒地だからだ。 「ただいま、れいむ・・・。」 「おかえり・・・まりさ。」 「ふぅ・・・ごはんだよ・・・なかよくむーしゃむーしゃしようね・・・。」 「ゆわーい!!むーちゃむーちゃしゅるよ!!」×10 だが、食卓代わりに置かれた平たい石の上には、固い雑草が少々と干からびた虫の死骸だけ。 「むーちゃむーちゃ・・・それなりー。」 「おとーしゃん・・・もっとむーちゃむーちゃしちゃいよ・・・。」 「ごめんね・・・はぁ・・・おうちのまわりに、ごはんがないんだよ・・・」 「どぼぢでしょんなこというにょぉぉぉぉおおお!?」×10 とは言ってみたものの、赤ゆっくり達はそれほど駄々をこねることなく、残念そうに食事を終えた。 父まりさの話が嘘ではないことは、生後3日を迎えてようやく跳ねることが出来るようになったばかりの、 幼いまりさ達にもわかってはいたのだ。 何せ、おうちを一歩踏み出してみたら、眼前に広がるのは砂利や砂ばかりという、 およそ命の喜びとは無縁の世界が広がっていたのだから。 「おちびちゃんたち・・・きょうはもう、ゆっくりすーやすーやしようね。」 「ゆぅぅぅぅ・・・ゆっくちりきゃいしちゃよ。」×6 「じゃあ・・・まりさが、ふぅ・・・おふとんをよういするね・・・」 だが、森に住む野生のゆっくり達のような、落ち葉や草を敷いたお布団や、 ましてや丁寧に編みこまれたベッドなどというものが出てくるはずもない。 そんなものがあったら、今日の夕御飯になっているのだから。 「おちびちゃん・・・はぁ・・・ゆっくりすーやすーやしてね・・・」 「ごりょごりょちて、ゆっくちできにゃいよぉ。」×6 「ふぅ・・・ごめんね・・・ゆっくりがまんしてね・・・はぁ・・・」 お布団として用意されていたのは、比較的粒の細かい砂(といってもサラサラというには程遠い)を、 平たい石の上に厚めに敷いただけのものである。 まりさ達赤ゆっくりは、この砂にあんよを口のすぐ下あたりまで埋め、身を寄せ合って眠る。 石の上に直に眠る両親よりはマシかもしれないが、少なくともしあわせーからは程遠かった。 まりさ達のおうちは、大きめの石が偶然積み重なってできた隙間に穴を掘って作ったものだ。 風雨や外敵から身を守るという意味で言えば、まあ、そうそう悪くもないものではあったが、 とにかくゆっくり出来ない場所に住んでいる、という感覚のまりさから見たら、 なんだか無機質でゆっくり出来ないおうちに思えてならなかった。 『ここはゆっくりできないよ。まりさはおおきくなったら、ゆっくりぷれいすにいくよ。』 それは、まりさが生まれてからずっと抱き続けていた想いである。 そして、食糧不足で次々と姉妹達が餓死していく中、なんとか生き延びてテニスボール程度に成長したある日、 父まりさが大事なお話がある、と言って姉妹をおうちの近くの崖へと連れて行った。 「ゆわーい!もりしゃんがみえりゅよ!」 「とっちぇもゆっくちちちぇりゅにぇ!」 「おしょらとんでるみちゃーい!!」 「ふぅ・・・。おちびちゃんたち。あの、もりのむこうをみてね。」 「ゆぅ?・・・ゆゆっ!!」 崖からは、山のふもとに広がる広大な森が一望できる。 この眺めのいい崖へのピクニックは、まりさ姉妹にとってはほとんど唯一と言っていい娯楽であった。 大きくなったらあんなところに住むんだ、というのは、姉妹共通の夢であったのだ。 そして、その広大な森のさらに向こうに、木々がほとんどない、平らな土地が広がっているのが見えた。 「あそこはね。・・・にんげんさんがすんでるところだよ。」 「ゆわぁぁぁ。しゅごくゆっくちしちぇるにぇぇ・・・」×3 ゆっくりは、ゆっくりしているものに関しては敏感なものだったりする。 人間から見てもかすんで見えるほど遠くの人里に、まりさ達はとてもゆっくりしたものを感じ取っていた。 里の中を流れる小川、緑に輝く田畑。 人間さんが出入りしている所は、人間さんのおうちだろうか。 だが、まりさ姉妹がゆっくりしている中・・・父まりさだけはまったく別の表情を浮かべていた。 人里を眺めているだけにもかかわらず、歯は限界まで食いしばられ、全身汗まみれ、 口の端からは餡子混じりの泡がゴボゴボとたれている。 「ゆ゛・・・ゆぎぃ・・っ!ゆぅぅぅうう・・・!!」 「おとーしゃん?」 「ゆぎぃぃぃひぃ!にんげんさんはゆっぐりでぎなぃぃぃいいいい!!」 「!?」×3 しばらく脂汗をかき、顔色を赤、青、土色にあわただしく変化させていた父まりさが、突然暴れ始めた。 「ゆびぃっ!!おねぇじゃんっ!だべぇっ!!おぎゃあじゃぁぁん!!」 「ゆぅぅぅ!!おとーしゃん、ゆっくちちちぇにぇっ!ゆっくちちちぇー!」 ・・・・・・。 「ゆぅ・・・ゆぅぅぅ・・・おちびちゃん、ぜったいにんげんさんにちかづいちゃだめだよ。ぜったいだよ。」 「ゆ、ゆっくちりきゃいしちゃよ。」×3 結局、何があったのかは聞けなかった。 まりさ姉妹達だって、餡子による記憶継承の効果で、人間さんがゆっくりできない、 という感覚は両親から受け継いでいるのだが、所詮は両親一代限りのトラウマであり、 れみりゃ等のような、明確な意味でのゆっくり出来なさは記憶を受け継いでいない。 そのため、まりさにとって父まりさからの忠告は、 『人間さんに出会うと確実に死ぬ』と言う様なものではなく、 『ゆっくり出来ない存在で、どんな強いゆっくりでも不用意に近づくと酷い目にあう。』 という程度のものと認識されることになった。 それからさらに月日は流れ、季節が夏の終わりに差し掛かった頃、 他の姉妹全てが命を失う中、最後まで生き延びたまりさが、 独り立ちして親元を離れる日がやってきた。 「おちびちゃん!ゆっくりしていってね!!」 「もうおちびちゃんじゃないよ!ゆっくりがんばるね!ゆっくりしていってね!!」 こうして結局まりさは、親の忠告を無視して森の方へと旅立っていったのであった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 独り立ちに際して、まりさには一つの計画があった。 その計画は大体以下のようなものである。 1.人間さんの里に行き、そこで一番強い人間さんと勝負して勝つ 2.力を示すことで人間さんからゆっくりプレイスと食料、おうちを手に入れる 3.森や山からゆっくりを呼び集め、人間さんの里をゆっくりのためのゆっくりプレイスにする 4.群れの長になる 5.ゆっくりした美ゆっくりと、ゆっくりした家庭を築く 6.ゆっくりし続けたまりさはいつしかドスになる 意気揚々と山を下り、森に入り、人間でも丸一日ではきかない距離を走破するまりさ。 まりさ自身は気づいていなかったが、山育ちであったため、 足腰の強さとスタミナについては、確かに群れの長にふさわしい逞しさを手に入れていたのである。 そして、ゆっくりの足で言えば、あと一日で人間の里に着こうという森の中で、 まりさの旅は、予想外の形で終わりを迎えることになった。 「ゆぁぁぁぁああああ!!なにこれぇぇぇええええええ!!!」 目の前には、人間の里が霞んでしまうほどの、ゆっくりプレイスが広がっていた。 木々は適度に生えて木漏れ日が優しく降り注ぐ。 地面には若く柔らかな雑草から人間も食用とするような野草まで青々と茂っている。 草ばかりではない。 周囲にはキノコやゆっくりでも届く高さに実った木の実も豊富にある。 その豊かな食料に誘われてか、昆虫からイモ虫まで、取り尽せないほどにいる。 食料ばかりではない。 大きく育った木々の根元を見れば、その多くにはゆっくりが家族で暮らすのにちょうどいい洞がある。 中は小石などもほとんど落ちておらず、すべすべに整えられており、隙間も丁寧に埋められている。 明らかに以前別の群れが使っていたと見られるおうちばかりであった。 今、どうしてゆっくりが住んでいないのか不思議であったが、 一時的な食糧不足で群れごと引っ越すことも珍しくはないので、 ここはかつて別の群れが使い、放棄したゆっくりプレイスだったのであろうと、まりさは理解した。 まりさが放心状態でゆっくりプレイスの中を歩き回っていると、 まりさとは別の場所から独り立ちしてきたのであろう、若いゆっくりの集団が多数、 吸い寄せられるようにこのゆっくりプレイスにやってきた。 「ちぇん、ゆっくりしていってね!!」 「まりさだねー!ゆっくりしていってねー!!ゆわぁぁー、すっごいゆっくりぷれいすだねー!わかるよー!」 「ゆぅん!ちぇんもそうおもう!?ここにはいま、ほかのゆっくりたちはぜんぜんすんでないんだよ!」 「わからないよー!!こんなゆっくりぷれいす、ほっとくにはもったいないねー!」 「ゆっふん!!そうだよ!ここは、まりさたちのおうちにしようね!!」 「わかるよー!!」 こうして、まりさの無謀なゆん生計画は、あっさりと方向転換を向かえ、 人里から近くも遠くも無い、実り豊かなゆっくりプレイスで、一から群れを作る作業が始まったのであった。 そもそも、まりさにしても、ゆっくりしていない人間さんと争うのは、あまり気が進まないことではあったのだ。 まりさほどのゆっくりであれば、相手が人間さんであっても負けることは無いであろう。 しかし、ケンカは痛いしゆっくり出来ない。 それに、万が一相手に遅れをとれば、永遠にゆっくりしてしまうこともあり得る。 また、実のところ人間さんの里を見たこともないので、どの程度ゆっくりしたゆっくりプレイスなのかわかったものでもない。 遠くの、あるかも怪しいゆっくりプレイスより、目の前の極上のゆっくりプレイス。 まりさの、新生活はここから始まった。 ゆっくりしたおうちとご飯は、余りにもあっさりと手に入ってしまった。 さらに、まりさ達のゆっくりとした姿を見つけて、独立したての若いゆっくり達が続々とやって来ては定住を決める。 わずか数週間で、まりさ達のゆっくりプレイスには、大規模、と言って差し支えない規模の群れが形成されていった。 「わからないよー。そろそろおさをきめないと、ゆっくりできなくなっちゃうよー。」 「そうね。せっかく、とかいはなゆっくりぷれいすなんだから、みんななかよくしたいわ。」 「むきゅん!それじゃあ、ぱちぇはまりさがおさになるといいとおもうの!!」 「ゆぅぅー!まりさでいいのぉぉぉおお!?」 「まりさなら、きっととかいはなむれにできるわ!」 「ゆぅ。でもまりさ、もりでのせいかつになれてないよ。わからないこともおおいよぉ。」 「わかるよー。でも、まりさのできないことは、みんなできょうりょくしてあげるからだいじょうぶだよー。」 ・・・・・・。 「ゆぅ。わかったよ!まりさ、このむれのおさになるよ!!」 「むきゅーん!ぱちぇたちにもおてつだいさせてね!むきゅっ!」 流れは自然と生まれ、拡大していく。 まりさは群れの初期メンバーとしてリーダーシップを発揮していた点を考慮され、立候補するまでもなく長に選出された。 なお、幹部メンバーは、このゆっくりプレイスでまりさに初めてであったちぇんとありすのつがい、知恵者ぱちゅりーの3匹。 群れの体制はこの4匹を中心として、急速に固まっていった。 そして・・・ 「このむれのおさはまりさみょん!?みょんたちをむれにいれてほしいみょん!!」 「ゆっくりしていってね!!おうちはたくさんあるよ!・・・ゆゆっ!?」 「どうしたみょん?れいむのおかおになにかついてるみょん?」 「・・・ゆぅ?ゆっくりしていってね。」 「(ゆわぁ。ゆっくりしたれいむだよぉ。)ま、ま、まりさとずっと、ゆっくりしていってね!!」 「・・・・・・?・・・ゆぅぅぅうううう!!?」 ある日群れに加わってきた若ゆっくりの集団に、一匹のれいむがいた。 清楚な物腰、紅く輝く大きなおリボン、そしてゆっくりとした下膨れ。 初めてれいむとあいさつした時に、まりさのぺにぺにに電流が走った。 一目ぼれというものであろう。 結局いきなりすぎて、れいむから正式にOKの返事が来るまでに5分以上かかったが、 まりさは、ゆっくりプレイス、長という立場にくわえて生涯の伴侶まで、あっさりと手に入れてしまったのであった。 季節は夏の終わりという時期。 群れのゆっくり達も、そろそろ新生活に慣れてきた時期である。 早期にこのゆっくりプレイスにやってきたメンバーはつがいを見つけ、にんっしんしている者も多かった。 長まりさとれいむの間にも、何一つ障害はない。 後は、一刻も早くおちびちゃんを手に入れて、ゆっくりとした家庭を築きあげれば、 まりさのゆん生計画は、ほぼ完璧に果されることになるはずであった。 ・・・だが、ある出来事が、まりさとれいむの子作りに待ったをかける。 「むきゅぅぅぅううううん!!まりさがぁぁぁぁああ、おちびちゃんがぁぁぁぁああああ!!」 その不幸は、長まりさの側近筆頭、ぱちゅりーの元に訪れた。 無論、この叫びの対象になるまりさとは、長まりさではなくぱちゅりーのつがいであった、だぜまりさである。 「むきゅ・・・おちびちゃん・・おそとはあぶないって・・・むきゅぅ。」 ぱちゅりーは胎生出産で、子供はまりさ1匹だった。 赤まりさは好奇心旺盛で、将来有望なゆっくりだったが、その好奇心が強すぎた。 「まりしゃ、おとーしゃんとかりにいっちぇくるよ!しょろーり、しょろーり!」 父であるだぜまりさが狩りに行き、母である側近ぱちゅりーがお昼寝している間に、 おうちを抜け出して、群れの喉を潤す泉へと遊びに行ってしまった。 さらに好奇心があだとなって、水草を採集している父、だぜまりさのマネをしてしまう。 水への恐怖よりも、お帽子で泉の上を自在に漂ってみたいという衝動が勝ってしまったのだ。 「まりしゃ、ゆっくちおぼうちにのりゅよ!ゆ!ぷーきゃ、ぷーきゃ・・・ぼちゃん。」 結果はご想像の通り。転覆、水没。 さらに不幸に輪をかけたのは、赤まりさが自分のおちびちゃんであると気付いただぜまりさが、 赤まりさを引き上げるため現場に急行、 「ゆぁぁぁぁああ!!おちびちゃん、まっててね!いまたすけ・・ゆぅっ!?・・・ぼちゃん。」 あわてすぎて転覆、水没。 結局側近ぱちぇは、一気に家族全員を失ってしまったのであった。 特に大きな危険もなく、ここに至るまで群れのゆっくりは増える一方だったため、 失うということに慣れていなかった幹部メンバーは、過剰に反応することになる。 特に側近ぱちぇは、自分自身を襲った不幸ということもあり、 これ以上同じ思いをするゆっくりを増やさないための対策を必死になって考えた。 そして、一つの結論に至る。 「ゆ!みんな、まりさのいうことをよっくきいてね!!」 「ゆっくり!ゆっくり!ゆっくり!ゆっくり!ゆっくり!ゆっくり!」×300 「このむれでは、これからすっきりをきんしするよ!!」 「・・・ゆっぐりでぎなぃぃぃいいいいい!!!」×300 「でもあんっしんしてね!ずっとしちゃいけないわけじゃないんだよ!」 「?」×300 まりさ達幹部メンバーは、期限付きのすっきり禁止令を決定した。 内容は簡単。 要は、冬ごもりに入るまで一切すっきりーしてはダメ。 子作りは、冬ごもり中に行うべし!とのことである。 先にも書いたとおり、通常の群れであればこれは自殺に等しい案だ。 秋の間に集められるのは、成体のつがいであっても自分達の分だけで精いっぱい。 そこに子供が入れば飢え死に確定となる。 しかし、そこにこの群れの強みが加わると、状況が変わる。 何せ、ここは類を見ないほどのゆっくりプレイスで、食糧はおうちの外にあふれるほどある。 秋の間につがいで必死に集めれば、それこそ成体ゆっくり10匹以上は養える蓄えが出来るほどなのだ。 ならば・・・蓄えてしまえばいい。 後は、冬ごもりの季節になったらおうちの入り口をしっかりと閉じて、存分にすっきりーする。 赤ゆっくりはおうちの中で誕生し、お外にこっそり出て行ったりする心配はない。 しかも、両親ともやはりおうちから出ることはないので、にんっしん、子育て中にしんぐるまざーになる心配もない。 ゆっくりとしたおちびちゃん達とたっぷりゆっくりして冬の数か月を過ごし、その間におうちで出来る教育は済ませておく。 おちびちゃん達が子ゆっくり程度、十分に大きく成長した頃に、冬ごもりは終わりを迎えるはずだ。 後は春の恵みの中で、おちびちゃん達は大きく育ち、世界に羽ばたいていくのだ。 「すごーい!!おさはやっぱりてんっさいだよー!」 「わかるよー!」 「むほぉぉぉおおお!!すっきりー!」 群れのゆっくり達は、説明を聞き終わるとともに、目をキラキラと輝かせて幹部達をほめたたえた。 それもそのはずで、餡子で継承されている記憶では、冬ごもりと言うととても楽しいものではない。 餓死、凍死の危険を感じつつ、つがいがいればまだしも、下手すれば一匹で暗く狭い穴の中に閉じこもって過ごすのだから。 それが、死の危険もなく、最上級のゆっくりである『おちびちゃん』とともに過ごせるとなれば、 ゆっくりでなくとも、その喜びはなんとなく理解できるであろう。 そして群れのゆっくり達は以降数カ月間必死で狩りに奔走し、 (中には不幸な事故ですっきりを味わうことも出来ずに命を落とした者もいるが) ほとんどのつがいが無事に冬を迎え、すっきりー出来るだけの蓄えを確保しておうちの入り口を塞いだのであった。 みんな、より大きなゆっくりをちらつかせられた分、意外と我慢強かった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ・・・そして現在の状況に至る。 おうちの奥には貯蔵食糧の山、れいむの頭上にはツタが一本とそこに揺れる6匹の赤ゆっくり。 おうちの中央には、まりさがこの日のために、特に柔らかい枯れ草を編み上げて作った、 おちびちゃん達用の鳥の巣型ベッド。 ふかふか、ふわふわになるように、一生懸命頑張ったよ。 きっと、おちびちゃん達も気に入ってくれるね。 ぶるぶる・・・ぷちんっ! ・・・・・・ぽとっ! 「ゆぅ・・・ゆっく、ゆっくちちちぇっちぇにぇ!!」 「「ゆっくりしていってね!!!」」 「ゆぅぅん!おとーしゃん、おきゃーしゃん、ゆっくち!ゆっくち!」 「ゆぅ!まりさそっくりの、げんきなおちびちゃんだね。」 「ゆふぅん!でも、れいむにおめめはそっくりだよぉぉ。」 「ぴゃぴゃー!みゃみゃー!れいみゅおなきゃしゅいちゃよ!」 「むーちゃむーちゃしちゃいよぉ。」 「ゆっ!まっててね。おちびちゃんに、つたさんをたべさせてあげようね!」 「ゆっくちむーちゃむーちゃしゅるよ!」 「むーちゃむーちゃ、ちあわちぇー!」 「おちびちゃん、さむくない?」 「ゆっくち!べっどしゃんがふーわふーわであっちゃかいよ!」 「ゆぅ。でも、まりしゃちょっとしゃむいから、しゅーりしゅーりしちぇにぇ!」 「おとーさんがすーりすーりするね!すーりすーり、しあわせー!」 「しゅーりしゅーり、ちあわちぇー!」 「ゆぅん、じゅるいよ!れいみゅもみゃみゃとしゅーりしゅーりしゅるよ!」 「すーりすーり、しあわせー!」 「しゅーりしゅーり!ちあわちぇー!」 まりさがおちびちゃんだった頃、しあわせーと言えばせいぜい、 栄養不足でガサガサな両親の頬とのすーりすーりくらいしかなかった。 さもなければ、手の届かないところにある、木々の緑を眺めている間の、白昼夢の中にだけ。 まりさは思うのであった。 この、ゆっくりとしたおちびちゃんには、まりさの全てを注いで、精一杯しあわせーを与えていこうと。 そうすることが、自分の報われなかった過去を取り返すことにもなるかのように。 「おとーしゃん、ゆっくちないちぇるにょ?」 「ぴゃぴゃ、ゆっくちちちぇにぇ!」 「ゆぅ?ゆふふ・・・おとーさんはね、しあわせーすぎてないちゃったんだよ。とってもゆっくりしてるよ。」 「ゆぅん、へんにゃにょー。」 「ゆふふふ、おちびちゃんたちも、おおきくなったらわかるよ。ゆっくりおやすみなさい。」 「ゆっくちしゅーやしゅーやしゅるよ!・・・しゅーや、しゅーや。」 「・・・・・・ゆっくりしていってね。」 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 次の日の朝、異変は突然やってきた。 ざくっ! まりさ一家が眠っているおうちの中に、何かが突き刺さるような異音が響いた。 「ゆぅ、ゆ?なんなの?」 「まりさ、おうちのいりぐちで、へんなおとがしたよ。」 「ゆぁーん、ゆっくちできにゃいよぉ。」 「ゆゆぅ。まりさがみてくるから、おちびちゃんたちは、べっどさんのうえでゆっくりまっててね。」 「ゆぴゅぅ・・ゆっくちりきゃいしちゃよ。」 「ゆぅぅ、なんなのぉ?・・・ゆぁぁぁぁあああ!なにこれぇぇぇぇぇええ!!?」 まりさが入り口に向かうと、おうちの入り口を塞ぐ『けっかい』を、何か見たことない物が貫いていた。 「ゆぅぅぅううううう!!ゆっくりでていってね!ゆっくりはやくいなくなってねぇぇぇええ!!」 それは人間が見たとしたら、子供の手のひらサイズの、先割れスプーンに似ていると思うであろう、 銀色に輝く金属製の道具であった。 金属製のそれは、まりさの言葉を聞くまでもなく、ゆっくりと左右に動かされ、『けっかい』の石や木の枝を崩しながら引き抜かれた。 まりさが、寒気でおちびちゃん達がつらい思いをしないようにと一生懸命塞いだ入り口は、 いともたやすく寒気の中に口を開けてしまったのであった。 「まりさ、どうしたの・・・どうしてけっかいさんがなくなってるのぉぉぉおおお!!?」 「ゆぅぁあああ!ぎんいろのぴかぴかさんが、けっかいさんをこわしちゃったんだよぉぉ!」 訳が分からない相手に、秋の間ずっと待ち望んでいたゆっくりした時間を奪われた衝撃で、 れいむだけでなく、群れの長になったほどのまりさまでもが逃げるという選択肢を忘れ、お外にいるであろう敵に向かって飛び出していった。 そこでまりさ夫婦が見たものは、 先ほどの特Lサイズの先割れスプーンを、長さ1mほどの棒の先端に取り付けた、 槍のような奇妙な道具を手に持つ、一人の人間さんであった。 ちなみにその道具は、人間さんを避けていた、ゆっくり達は知らない道具。 里の人間さんの間では、『あの棒』と呼ばれている道具である。 「ゆ・・・にん、げんさん・・・。」 「ゆぅ?・・・どぼちて・・・?」 これまで、ゆっくりしていないからと、近づかないようにしていた人間さん。 遠くもない所に住んでいるのに、ゆっくりプレイスに一度もやってこなかった人間さん。 それが、雪の降り積もった、ゆっくりがおうちに閉じこもってしまった今、なぜかここにいた。 茫然とした一瞬、その間に、まりさとれいむは、人間さんのあんよでころりと上下さかさまに転がされた。 「「ゆ?」」 そして次の瞬間、 ざくっ!ざくっ! 「ゆ・・・ゆぎひぃぃぃいいいい!!!」 上を向いた2匹のあんよに、『あの棒』が突き刺された。 「どぼぢでっ!あんよさんが、まりさのゆっくりしたあんよさんがぁぁぁぁ!!」 まりさの叫びともとれる問いは、人間さんには聞こえた雰囲気すらみえず無視しされた。 そして人間さんは、崩されたままだった『けっかい』の材料であった、 木の枝や大きめの石を『あの棒』を使って雪に埋めていく。 「どぼ、ぢで・・・。やべでね!げっがいでおうぢをふさがないど、ざむぐでゆっくりでぎないよ!!!」 だが、やはりまりさの声は届かず、人間さんは手際よく木の枝や石を雪に埋めてしまった。 「なんでぞんなごどずるのぉぉおおお!!まりさだぢ、なんにもじでないでじょぉぉぉぉおおお!!?」 さらに人間さんは、もはや邪魔するもののなくなったおうちの入り口から、『あの棒』をおうちに滑り込ませると、 先端のフォーク状になった部分でおちびちゃん達のベッドの端を引っ掛け、崩れないようにそろりそろりと引きずりだす。 そのベッドの上には、まりさとれいむの、5匹の可愛いおちびちゃん達が恐怖と寒さで震え、涙を流していた。 「ゆぴぃ、ゆぴぃぃ・・・ゆっくちちちぇ・・ゆぅぅぅ、ころがりゅぅぅうう、ゆぴぃっ!!」 そして、ベッドに引っ掛けたままの先端を少し持ち上げ、ベッド全体を傾けて、 ゆんゆん泣くおちびちゃん達をころりと転がし落とす。 おちびちゃん達もまりさも状況についていけず、泣くことも出来ずに目を丸くしている中、 主のいなくなったゆっくりしたベッドは、雪をひとすくいかぶせられ、人間さんのあんよでパンパンと踏み固められてしまった。 「ゆ・・・くち、べっどしゃん・・ゆっくちちちぇ。」 「ゆぅ、・・・ぺーりょ、ぺーりょ、・・・ちゅめちゃぃ・・・。」 何が起きているのか未だに理解できていないおちびちゃん達は、 すっかり踏み固められた雪の下にうっすらと見えるベッドの上にもしょもしょと集まって、 ぺーろぺーろしようとして舌を雪に突っ込んだり、あんよをもぞもぞさせて、 ついさっきまで確かに感じていた、ゆっくりとした柔らかさを得ようとしていた。 しかし、当然埋め固められたベッドは二度と柔らかさを取り戻すことはなかった。 「ちゃむいよぉ・・・ゆっくちちゃちぇちぇ・・・」 「ゆっく・・・しゅーり、しゅーり・・・」 そうでなくても生まれたてのおちびちゃん達は、跳ねることが出来ず、這いまわることしか出来ない。 その上、すっかり冷え切ったおちびちゃん達のあんよは、もはやわずかに震える程度にしか動かせなくなっていた。 雪に埋められた、かつてベッドだったモノの上で、5匹のおちびちゃん達は、おうちに戻ることもできず、 身を寄せ合ってなんとか温まろうとすーりすーりしている。 「ゆぅぅううう!!にんげんざん!もうやべでね!まりざはどうなっでもいいがら、おぢびぢゃんをおうぢにいれであげでぇ!!」 そんなことを言っている間に、人間さんは再度『あの棒』をおうちの中に突っ込み、 まりさとれいむが秋の間、必死になって集めた、ゆっくりとしたご飯さんを、山盛りすくい出し、 ビュッ!!・・・・パラパラパラッ。 勢いよく周囲の雪の上にばら撒いてしまった。 「やべでぇぇぇぇええええ!!!おぢびぢゃんのだめの、だいじなごはんざんがぁぁぁああああ!!!」 それも、2回、3回と繰り返される。 まりさには、おうちの中は見えていなかったが、秋の間集めた食料の、実に9割近くは辺り一面にばら撒かれていた。 無論、逆さまにされている上、あんよに大きな穴があいているまりさには、集めなおすことなど出来ない。 結局まりさの声は人間さんに一向に届くことなく、視線すら一度も合うことがなかった。 人間さんはふぅっと一息吐くと、まりさのおうちの木の、人間さんの目のあたりの高さに描いてあった、 すっかり色が薄くなっていた×印を赤の塗料で塗りなおす。 そして、全ての作業が終わったとでも言うように、人間さんは向きを変えると、 こきっ、こきっと首をならし、深呼吸をして、どこかに移動しようと、歩き始めたのであった。 「ゆ・・・まっちぇ・・・」 人間さんが再びまりさ一家の前に通りがかった時、ベッドの残骸の上でぷるぷると震えていた赤まりさが最後の力を振り絞って呼びかけた。 「どうちちぇ・・・?にんげんしゃ・・・ん。」 人間さんは、赤まりさの前を素通りすると、まりさの横を通って、 群れ幹部のちぇんとありすのおうちの方へと、まっすぐ向かっていった。 ざくっ! まりさの後方で、聞き覚えのある音が響いた。 「ゆぅぁあああ!ぎんいろのぴかぴかさん、けっかいさんをこわさないで・・にん、げんさん・・・?」 「わ、わからないよ・・・?」 「ちぇぇぇん!ありずぅぅぅうう!にげでぇぇぇええええ!!」 まりさは叫ぶ。だが、全ては遅すぎた。 「「ゆ?」」 ころりっ・・・ざくっ!ざくっ! 「わ・・・わぎゃらにゃぁぁぁあああ!!!」 「どぼぢでっ!あんよさんが、ありずのどがいはなあんよさんがぁぁぁぁ!!」 「なんでぞんなごどずるのよぉぉぉ!!ありずだぢ、なんにもじでないでじょぉぉぉぉおおお!!?」 まりさの背後で、ありすとちぇん達の叫び、そして、 まだ生まれたばかりであろう赤ありすと赤ちぇんの泣き声が聞こえる。 「ゆぴぃ、ゆぴぃぃ・・・わきゃらにゃぁ、ころがりゅぅぅうう、わきゃら!!」 ばさっ!ばさっ!ぱんっ、ぱんっ! 「しょんにゃ・・・くち、べっどしゃん・・しゃむいわ・・・」 「ゆぅ、・・・ぺーりょ、ぺーりょ、・・・わきゃらにゃ・・・。」 「ゆっくちちちぇ・・・しゅーり、しゅーり・・・」 ビュッ!!・・・・パラパラパラッ。 「やべでぇぇぇぇええええ!!!おぢびぢゃんのだめの、とかいはなごはんざんがぁぁぁああああ!!!」 ・・・・・・。 その後も、まりさの後方では、いくつかの家族の叫び声が聞こえ続けていたが、 それがいくつか続いた頃には、まりさも大声で人間さんに呼びかけたり、ゆっくりに逃げるように叫んだりはしなくなっていた。 ただ、逆さまのまま身動き一つ取らず、涙を流していた。 そしてよく見れば、まりさの遠く前方にも、まりさ同様に上下ひっくりかえされ、 あんよに穴を開けられたまま、声一つ上げずに泣く成体ゆっくりの、つがいの姿がいくつも見える。 そして、バスケットボール大の饅頭達の目の前では決まって、数個の小さな饅頭が身を寄せ合いながら、静かに息を引き取っていた。 まりさの横に、逆さまになっているれいむは、あんよに穴を開けられてから、一度も声を発することなく息絶えていた。 おそらくあんよへの一刺しが中枢餡にまで届いてしまったのであろう、即死であった。 だが、まりさから見れば、それはうらやむべき幸運であっただろう。 「ゆ・・・もっちょ・・・く・・・・・・」 「ゆっぐぢぢでぇ、おぢびぢゃん、ゆっぐぢぢでぇぇぇ。」 ベッドの埋まる雪の上で、身動き一つ取れず凍えていたおちびちゃん達は、結局誰にも助けられることのないまま、 まりさの目の前で苦しみぬいて死んでいった。 これから毎日、あったかいおうちの中で存分にむーしゃむーしゃして、すーりすーりして、 春になったらきれいな草花さんや、あったかい太陽さんの光に包まれて、ゆっくりとしたゆん生を歩むはずだったおちびちゃん達。 だが、今まりさの目の前には、涙まで白く凍りついた、悲しい表情のまま息絶えた5個の饅頭が並んでいる。 「・・・くちちちぇにぇ。・・とーしゃ・・・。」 「・・・・・・ゆ!」 5?・・・おちびちゃんがひとり足りない!! 「・・ゆっくちちちぇにぇ。・・おとーしゃん・・・」 「ゆ・・!ゆっくりしてね!おちびちゃん!おちびちゃぁぁあああん!!」 まりさが、動けないながらも必死で視線をおうちの中に向けると、そこには末っ子まりさの元気な姿があった。 「おにぇーちゃん・・・みんにゃぁ・・ゆっくちちちぇにぇ。」 「おちびちゃん!こっちにきちゃだめぇ!!」 「ゆぴぃっ!」 まりさは、姉達のもとに駆け寄ろうとする末っ子まりさを制止する。 「おちびちゃん!よくきいてね!おうちにごはんさんはある!?」 「ゆ・・・ゆぅ。おとーしゃんのぶんしかにゃいよぉ。」 「・・・ゆぅぅ、おちびちゃん。それはおちびちゃんのぶんだよ。」 「ゆぅ?しょしたらおとーしゃんのごはんしゃんがにゃくなっちゃうよ!ゆっくちできにゃいよぉ!」 まりさは、もう決断していた。 「おちびちゃん。まりさは・・・おとーさんは、もうゆっくりできないよ・・・。」 「どぼぢでしょんなこちょいうにょぉぉぉおおお!?」 「おとーさんは、もうあるけないんだよ。だから、おちびちゃん。はるさんがくるまで・・・ひとりでゆっくりしていってね!!」 「ゆぅぅううう!?しょんなのゆっくちできにゃいよぉぉおおおお!!!」 「だいじょうぶだよ。おちびちゃんは、まりさとれいむのおちびちゃんなんだよ。」 「・・・ゆ・・・ゆぅ。」 「だから、はるさんがくるまで、おうちのごはんをたべて、べっどさんのかわりに、ごはんさんのなかですーやすーやするんだよ。」 それは、まりさの夢。 まりさの最後の希望。 「ゆっくりしていってね!!」 「ゆぁぁぁあああん!!ゆっくちりきゃいしちゃよぉ!!ゆっくちちちぇっちぇにぇ!!」 まりさの両親は、人間さんの手によって、山のゆっくり出来ない土地に追いやられた。 まりさは、人間さんの手によって、ゆっくり出来ない最期を迎えようとしている。 しかし、それでも希望は、まりさのゆっくりとした夢は、未来へと輝き続けるのだ。 そして、まりさは余りにも理不尽に幸福な未来を奪われながら、群れのゆっくりの中でただ一匹、 満ち足りた表情で3日間生き延び、その後永遠のゆっくりへと旅立っていったのであった。 そしてただ一匹人間さんの手を逃れた赤まりさは、わずかに残されたご飯さんを食べ、 ご飯さんの山をお布団代わりにして、中に身を埋めて必死に寒さと戦った。 だが、寒さで体温を奪われ続けるため、体温維持のためにむーしゃむーしゃを絶えず続けなければならない。 しかしむーしゃむーしゃを続けると、お布団の代わりになるご飯さんがどんどんと減っていき、体温を維持できなくなる。 そこでさらにむーしゃむーしゃを繰り返す。 しかも、どれだけ体温を維持しても、おうちの入り口を塞ぐ材料も技術もないので、 室温は全く上がらず、状況が改善されることは無い。 結局、赤まりさは、まりさが息を引き取る2日ばかり前に、おうちの食料を全て平らげて、あっさりと息を引き取ったのであった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 森は春を迎えた。 前年の秋には300匹を数え、冬ごもりの中で生まれた赤ゆを合わせれば1500匹を超えた巨大な群れは、 人間さんの手によっておうちから引きずり出され、一匹残らず死に絶えた。 そして、その亡骸は雪解けとともに溶け、大地に栄養を与えて森の恵みを育む。 それは、雪に埋められた赤ゆっくり達のためのベッドも、冬ごもりのために貯められた食糧も同様である。 沢山の栄養で育った草花や木々は、今年も多くのゆっくりに、ゆっくりとした恵みを与えてくれるであろう。 また、ゆっくり達によって長年整備されてきた木の洞は、 いずれも新たなゆっくり達にとって絶好のおうちになることであろう。 おうちの入り口を塞ぐ『けっかい』の材料にも困ることはない。 なにせ、前の年の冬にも使われた、小石や太い木の枝もそのまま残っているのだから。 ゆっくり達が変わることが無い以上、昨年最高のゆっくりプレイスであったココは、 今年も多くのゆっくりにとって、最高のゆっくりプレイスとなることであろう。 ・・・・・・そう、人間さんの里に、近づこうなどとは考えないほどに。 春を迎え、山にもベビーラッシュがやってくる。 まりさの両親は新しい命を迎え、過酷な生活の中でも少しだけゆっくりしていた。 「まりさとれいむのおちびちゃん・・・もうすぐうまれるね。」 「ゆぅん。とってもゆっくりしてるね。」 「このおちびちゃんたちも、おねえちゃんたちみたいに、げんきにそだってほしいね。」 「そうだね。・・・みんな、げんきにしてるかな?」 「きっとげんきいっぱいだよ。まえのおちびちゃんだって、あんなにゆっくりしたまりさだったもん。」 「そうだよね・・。」 「・・・そうだよ。」 ぶるぶる・・・ぷちんっ! ぽとっ! 「ゆぅ・・・ゆっく、ゆっくちちちぇっちぇにぇ!!」 「「ゆっくりしていってね!!!」」 なーんかイマイチ。 挿絵 byキリライターあき 挿絵 by儚いあき 餡小話掲載作品 ふたば系ゆっくりいじめ 132 俺の嫁ゆっくり ふたば系ゆっくりいじめ 148 ここはみんなのおうち宣言 ふたば系ゆっくりいじめ 157 ぱちゅりおばさんの事件簿 ふたば系ゆっくりいじめ 305 ゆっくりちるのの生態 ふたば系ゆっくりいじめ 436 苦悩に満ちたゆん生 本作品 『町れいむ一家の四季』シリーズ 前日談 ふたば系ゆっくりいじめ 522 とてもゆっくりしたおうち 『町れいむ一家の四季』シリーズ(ストーリー展開順・おまけについては何とも言えないけど) 春-1-1. ふたば系ゆっくりいじめ 161 春の恵みさんでゆっくりするよ 春-2-1. ふたば系ゆっくりいじめ 154 竜巻さんでゆっくりしようね 春-2-2. ふたば系ゆっくりいじめ 165 お姉さんのまりさ飼育日記(おまけ) 春-2-3. ふたば系ゆっくりいじめ 178 お姉さんとまりさのはじめてのおつかい(おまけのおまけ) 春-2-4. ふたば系ゆっくりいじめ 167 ちぇんの素晴らしきゆん生(おまけ) 春-2-5. ふたば系ゆっくりいじめ 206 町の赤ゆの生きる道 夏-1-1. ふたば系ゆっくりいじめ 137 真夏はゆっくりできるね 夏-1-2. ふたば系ゆっくりいじめ 139 ゆっくりのみるゆめ(おまけ) 夏-1-3. ふたば系ゆっくりいじめ 174 ぱちぇと学ぼう!ゆっくりライフ(おまけのおまけ) 夏-1-4. ふたば系ゆっくりいじめ 235 てんこのインモラルスタディ(おまけのおまけのおまけ) 夏-1-5. ふたば系ゆっくりいじめ 142 ゆうかりんのご奉仕授業(おまけ) 夏-2-1. ふたば系ゆっくりいじめ 146 雨さんはゆっくりしてるね 夏-2-2. ふたば系ゆっくりいじめ 205 末っ子れいむの帰還 秋-1. ふたば系ゆっくりいじめ 186 台風さんでゆっくりしたいよ 秋-2. ふたば系ゆっくりいじめ 271 都会の雨さんもゆっくりしてるね 冬-1. ふたば系ゆっくりいじめ 490 ゆっくりしたハロウィンさん 『町れいむ一家の四季』シリーズ 後日談 ふたば系ゆっくりいじめ 249 Yの閃光 ふたば系ゆっくりいじめ 333 銘菓湯栗饅頭 ふたば系ゆっくりいじめ 376 飼いゆっくりれいむ ふたば系ゆっくりいじめ 409 町ゆっくりの食料事情 ふたば系ゆっくりいじめ 224 レイパーズブレイド前篇(おまけ) D.Oの作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る てかこんな大規模な群なのにドススパーク打てる奴が居ないってどゆこと? -- 2018-08-25 19 01 46 フォオオオオオオオオオオオオおっぱいもみたい -- 2017-06-04 07 22 37 しかしこんだけ数がありゃ何組か残ってもいいはずだが わざわざ全滅させる必要も無さそう -- 2014-08-27 04 17 19 ガキはすぐ死んでいくのに外で足破かれて3日生きる糞饅頭の生命力ときたら・・・人間よりはるかに丈夫だなおい -- 2013-08-07 01 05 42 ↓森から群れが消えた日(後編)を読めば分かる -- 2012-08-03 01 38 02 なんか納得できない。 -- 2012-07-29 22 25 49 こういう感情もなく容赦無いSSにはキリライターの絵がすごくマッチするなあ -- 2011-09-27 01 52 37 ↓畑や人里に行く気も失せるようなゆっくりプレイスを作ってゆ害の防止、冬になったら一斉駆除って事じゃないか? -- 2011-08-30 06 56 43 結局人間がここまできた理由がまだわからないんだが・・・ -- 2011-08-27 00 47 47 かつて先祖が散々好き勝手やってきたツケを未だに支払わされてる訳だ、コイツらは。 「森から群れが消えた日」見る限り、山の人達にとっておよそ最悪の部類に属する害獣だし こんなのがのさばってたら当然駆除だわな。恨むんだったら愚かなご先祖達を恨んでね! -- 2011-05-01 14 25 18 う~ん… 人間って怖いね。 -- 2011-04-14 05 57 47 ゆっくりは、弱肉強食のなかでは一番弱い生物だ!! -- 2011-03-18 22 34 32 めっちゃ面白かった!ぱねぇQNQNできた!! ゆっくり出来る森は人間の罠だったのかw 人間が毎年群れを潰すからゆっくり出来る森でいられるんだな -- 2011-03-08 12 57 34 長の考えた策は良かったんだけどな、ゆっくりにしては上出来といえる -- 2011-01-30 13 20 39 やべえ濡れた やっぱ越冬を無理やり失敗させるのはたまらなくQNQNするね! -- 2010-12-02 23 20 17 まあ、かつて散々山荒らしまわったクズ共の子孫で 実際あの場所見つけるまでは人里乗っ取ろうと企んでたアホだし、駆除は当然だな。 -- 2010-11-16 15 45 12 なんかもう虐待いらないわ逆に -- 2010-11-03 23 55 50 淡々とする作業、まさに駆除って感じがして良いですねぇ。 街に来るゆっくりを防止するための防波堤でもあり、ゆっくりホイホイでもある森か -- 2010-10-20 14 49 36 語彙的に無理なんじゃね?ゆっくりの知能で何か説明するのって難しいんだろうと解釈した それに言葉を重ねるより、アレにとって「ゆっくりできない」は存在に関わる最強の脅し文句なんだし十分と思ったとか あとトラウマすぎてその話をする事すらとか無理ゲーとかなんじゃね?w -- 2010-10-07 06 31 53 ↓ それを話そうとすると、顔色変えて発狂して暴れだす始末なんだから無理だろ。 ここらへんがゆっくりの限界なんだよ。 -- 2010-09-28 00 47 17
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私は学校が嫌いだった。 いや、違う、学校が私を嫌っている。 私の名前は真紅、一応帰国子女だ。 それなりに裕福な家庭に生まれ何不自由なく育った私は一際自尊心が高かった。 それが災いして私はいつも学校では孤立している。 最初は何とも思わなかった、庶民が私に着いて来れないだけだ。と誤魔化していた。 けれども、最近はどうして私は此処にいるのか分らなくなった。 真紅「私は…どうして此処にいるの?」 思わずこんな愚痴をこぼしてしまう。 今日も独り昼休みに自分の席でお弁当を食べている。 周りを見てみたらみんな何かしらグループを作ってはお喋りしながら一緒に食べていた。 真紅(別に羨ましくなんてないのだわ…食事中にお話するなんて無粋なのだわ…) なるべく周りを見ないように真紅は俯いて食事をする。 その後は決まって持って来ておいた文庫本を読む。 それで昼休みが終わるのが日常だった、だが今日は違っていた。 「何読んでるんだ?」 急に声をかけられて驚き視線を本から声の主の方へと向ける。 其処には眼鏡をかけた見知らぬ顔があった。 真紅「貴方誰なの?」 「ああ、僕は桜田ジュンだ。」 桜田ジュン?そう言えばそんな男子がクラスにいたような気がする。 あまりぱっとしない容姿なのに一部の女子には結構人気がある… 真紅「それで?その桜田君が私に何の用なの?」 J「いや、だから一体何の本読んでるのかなぁーって…」 真紅「別に貴方に教える義理なんてないのだわ。」 いつもどおり素っ気無い態度で相手を突っぱねる。 それでもジュンは何処からか椅子を持って来て向かい側に座って本を読んでいる真紅を見ていた。 突っぱねられてもジュンは無言のまま真紅を見ていた。 真紅はそんなジュンを無視してずっと本を読み続けていた。 どうせすぐにいなくなる。そう思って放っておいたがジュンは一向に何処かへ行く様子がない。 真紅「貴方、一体何なの?黙ってずっと見てて…」 J「いや、君とは一回も話したことないから気になってさ。」 真紅「私は貴方とは話すことなんて何もないわ。」 J「あるだろ、君の名前とか何が好物なのかとか好きな色とか何が好きなのかとか色々さ。」 帰国子女を珍しがって興味本位で聞いてきてるのだろうか? そう思って苛立った真紅は抑揚した口調で一気に言い切った。 真紅「私の名前は真紅、好きなものはハンバーグで好きな色は赤色、それで好きなものは本よ。 生憎と帰国子女と言っても中身は普通の人間なのだわ、珍しくも何ともないの、わかった?」 J「そ、そっか…」 真紅「分ったら何処かへ行って頂戴、読書の邪魔なのだわ。」 ジュンは困った顔をしていた。 そのまま何処かへ行ってしまえばいいと真紅は思っていた。 どうせ一時の興味だけなら誰にも相手にされたくない、何時しか真紅はそう考えていたのだ。 しかしそれでもジュンは椅子から腰を上げない。 真紅「……どうして貴方はこんな私を構うの?」 J「え、そうだな…特に目的とかはないんだけど…」 真紅「目的もないのに付き合わされる私として迷わ…」 J「だってさ、友達になるのに目的なんていらないだろ?」 私は黙った、彼は今なんと言ったのか理解に苦しんだ。 私なんかと友達に…?どうかしてるとも思った。 けれども、不思議と不快ではない。 真紅「いいわ、けれども庶民の貴方が私と対等だなんて思わないで欲しいわ。 貴方はこれから私、真紅の下僕になるというのなら傍にいることを許してあげるわ。」 J「下僕って…まぁ、それでもいいか。ヨロシクな。」 最後の距離を置くための虚言でも彼は退かない。 真紅「そ、そう…なら好きなだけ傍にいなさい(///)」 結局引き返せなくなった真紅はそのまま彼と昼休みを過ごすことになった。 その日の夜、自室のベッドで真紅は頬杖をついて横になっていた。 其処で昼間のジュンという少年のことを考える。 変わった人だった、普通なら下僕なんて呼ばれたら不快感を覚えるのに。 どうして私につきあってくれたのだろう? こんなに性格の悪い私なのに… それでも、これからは昼休みを独りで過ごさなくて済むと考えたら明日が楽しみに思えた。 お気に入りの犬のぬいぐるみを持って来て真紅は毛布の中に入る。 真紅「ねぇ…くんくん、私『友達』が一人出来たのだわ。 今までは貴方だけしかいなかったのだけど…私、少し嬉しい…」 犬のぬいぐるみを抱いて真紅は眠った。 今までは寂しそうな寝顔が今夜は少し嬉しそうだが困惑した寝顔だった。 そして翌日の昼休み、真紅はまた自分の席でお弁当を食べていた。 其処へ昨日の少年ジュンと他に二人の女子が来ていた。 J「今日はコイツ等も一緒なんだけど…いいかな?」 真紅「ま、まぁ別にいいのだわ…(こんな大人数でお昼ご飯…(///)」 蒼「僕は蒼星石、よろしくね真紅さん。」 翠「翠星石です、しゃーねーからヨロシクしてやるです。」 真紅「む…別に仕方なくあら仲良くなんてしなくてもいいのだわ。」 思わず翠星石という女子の高圧的な言い方に反感を覚え言い返してしまう。 言われた本人も少し呆けていた、もしかして嫌われてしまったかもしれない…。 翠「な、な…」 蒼「ゴメンね、翠星石はこんなこと言ってるけど本当は君と仲良くしたいって思ってるんだ。 だからちょっと口が悪いけど見過ごしてやってくれないかな?」 真紅「だったら別にいいのだわ、気をつけて頂戴。」 和やかな昼休みの空気に反して此処は少し緊張した空気が流れていた。 J(やっぱり行き成りこの二人を合わせたのは失敗だったかなぁ…)(汗 取り合えず後から来た三人は弁当箱を開けてそれぞれの昼ご飯をつつき始める。 J「お、その煮物美味しそうだな。」 翠「とーぜんです、翠星石が作ったから美味しいに決まってるです。 しゃーねーからジュンに一個恵んでやるです。」 それを契機にお弁当のおかずの交換が始まった。 私も参加してみたい…そう思ったのだが真紅の弁当はサンドイッチでもう後一つしかなかった。 仕方なく三人がおかずを交換しあう様子を見てることしか出来なかった。 一人だけもう食べ終わった真紅はすることもなく本を読み始める。 蒼「何の本読んでるの?」 真紅「…ドストエフスキーの『罪と罰』なのだわ。」 蒼「ああ、あれか。あれを読んでると世界を動かす人って何なんだろうって(ry」 少しの間蒼星石という一見男の子っぽい女子と小説の話で会話が弾んだ。 こういう話題を共有しあえる人のことを『友達』と言うのだろう。 真紅はジュンと蒼星石とは上手く付き合っていけるような気がした。 翠「ジュン、今日の放課後暇ですか?」 J「別に暇だけど?」 翠「じゃあ、しょーがねぇですから翠星石の買い物につき合わせてやるです。」 J「何だよそれ…けど断る用事もないしつきあっても…」 駄目よ!突然大声を出す真紅に蒼星石も翠星石もジュンも驚いた。 真紅「ジュンは私の下僕なのだから私の許可もなしに勝手に何処かへ行っては駄目なのだわ!」 真紅自身も驚いていた。自分は何を言っているんだろう? ひょっとしてとんでもないことを言ってしまったのではないか? 翠「な、何ですって!?ジュン、それは本当なのですか!?」 J「えーと…まぁそういうことになってる…(汗」 今やクラスは普段は静かな真紅の言った爆弾発言にざわついている。 真紅は顔中が火照ってくるのがわかった。 翠「ちょっと待つです!そんな勝手なこと許さんですよ!?」 真紅「勝手も何もジュンが自分からそれでいいって言ったのよ? だから私の了承もなしに下僕を連れ回すのはやめて頂戴。」 翠星石はジュンの方を睨む。 ジュンは引きつった笑みを浮かべざるをえなかった。 それを見て翠星石はワナワナと震えだす。 翠「そんな人のことを下僕と言うなんてお前はとことん性悪です!」 それを聞いて真紅の堪忍袋の緒が切れた。 真紅「いいわ、だったらもう三人とも私のところには来ないで!!」 真紅は席を立ってそのまま教室を出て行った。 ジュンにはわかっていた、去り際に彼女が泣いていたことを。 翠「全く、どうしてジュンはあんな奴の下僕になったですか?」 J「…あの子さ、ずっとクラスに馴染めてなかったんだよ。」 翠「え?」 J「いつも昼休みは俯いて弁当食べてるか本ばっか読んでて… でも、たまに不安そうに寂しそうにみんなを見てたのをこの間見つけたんだ。 本当は寂しがり屋なのに…いっつも我慢してたから…ッ」 次の瞬間、ジュンも席を立って真紅の後を追った。 残された翠星石と蒼星石はそんなジュンの後ろ姿を見ていた。 翠「………」 蒼「僕らも行こうか。」 翠「はいです…」 真紅は当ても無く校内を走っていた。 やがて中庭の人気のない木陰に一人座り込んでいた。 もう誰も傍に居て欲しくない、誰も私に近付かなければいい。 しかしこの時期の外は予想以上に寒く走って温まっていた体もすぐに震えだした。 かじかんだ手を自分の吐息で温める。白い吐息は口から出てはすぐに消えていった。 自分もこの白い吐息のように消え去りたい。そう思っていたら背中に何かが被せられた。 J「こんな所にいたのか、風邪ひくぞ?」 ジュンが此処に来ていた。背中を見ると彼の上着が被せられていたのだ。 真紅「…それはお互い様なのだわ。上着を着てないと貴方も風邪をひくわ。」 J「お前がちゃんと校舎の中に行くまで僕も此処にいる。」 自分の隣にジュンは腰掛けた。 見るとジュンの手も冷えて赤くなっている。 真紅「もういいのよ、下僕なんてやらなくても…貴方はあの二人と居れば…」 J「じゃあお前はどうなるんだよ。」 真紅「私はいいのよ…また元に戻るだけ。」 J「でも前だって寂しそうにしてたじゃないか。」 寂しそうにしてた?私が…? 真紅「甘く見ないで、今までそうして来たのだからこれからだって…平気…よ…」 そうだ、寂しくなんてない。 今までだってこうして生きてきた私は独りでも大丈夫…。 J「だったら…どうして今泣いてるんだよ?」 真紅「………ッ」 ジュンに言われて初めて気付いた。 頬を生暖かい涙が伝う感触…涙の痕は凄く冷たかった… J「本当はずっと寂しくって泣きたいのも我慢してたんだろ?」 真紅「…うん…ッ」 J「だけど意地っ張りだったから素直になれなかったんだよな?」 真紅「うん…ッ」 J「僕はお前がなんと言おうと下僕であり友達だ。これだけは本当だからな。」 真紅「うんッ」 涙が止めどなく溢れる。 ジュンは真紅の頭をぶっきらぼうに優しく叩いた。 手は冷たいけれども、心は温かい… 暫くすると翠星石と蒼星石がやって来た。 真紅は思わずジュンの後ろに隠れる。 少しの間四人に沈黙が流れる。 真紅&翠「「あの…」」 二人は同時に喋りだす。 翠「そ、そっちからどうぞです…」 真紅「いいえ、貴女から言って頂戴…」 翠「あのですね…さっきは、ごめんなさいです… 真紅のこと、ちっとも知らないであんなこと言って…」 翠星石は頭を下げて謝っていた。思わず真紅は焦る。 真紅「あの、そんなことないのだわ… 私の性格が悪いのは合ってるし… あの時は初めて出来た友達のジュンが他の人と仲良くするのが嫌で…ごめんなさい。」 翠「そのことなんですけど…真紅も来るですか?」 真紅「いいの?私なんかが行っても…」 翠「何言ってるですか、翠星石と真紅はもう友達です。遠慮なんてすることねぇですよ。」 真紅は困惑した顔でジュンと蒼星石を見る、二人とも笑って応えてくれた。 真紅「ありがとう…みんな…」 真紅達は放課後にスーパーに行った。 翠星石がジュンを誘ったのは米を買うから持って貰うためだったらしい。 初めての友達との買い物に真紅は嬉しくもあり何故か緊張もしていた。 J(本当は上がり症でもあるのかもな…) そして買い物も終わり皆はそれぞれの家へ帰宅した。 夜になり真紅は自室のベッドにまた犬のぬいぐるみを持って横になっていた。 真紅「くんくん、今日はね。ジュンと翠星石と蒼星石で買い物に行ったのよ。 色々あったけど…私はやっと自分の『居場所』が見つかったわ。今までありがとう…」 やはりぬいぐるみを抱いて真紅は眠りの世界へ落ちる。 その寝顔にはもう困惑も寂しさもない、ただただ幸せを噛み締めている。 自分は独りだと思っていても誰かがきっと自分を見ていてくれる。 『居場所』というのは案外その辺に転がっていて気付かないでいるだけかもしれない。 貴方は貴方の『居場所』を大切にしてあげて下さい。 The END 俺も今居場所見付けた -- ナンブ (2006-11-24 01 45 25) 居場所って確かに際どい… -- ヒーロー?ヒロキ (2006-12-16 19 24 31) 俺の居場所は蒼の子の傍wwwwww(台無し) -- 夕クシー (2007-01-08 20 53 44) じゃあ俺は翠星石な -- 名無しさん (2007-04-15 21 25 21) 蒼星石の膝枕が俺の居場所ww -- 名無し (2007-04-16 15 41 45) させるかよwww -- 名無しさん (2007-04-28 01 55 47) 我はドコから來てドコへ行こうとしているのか…居場所なんてあるのか -- 永遠の旅人 (2007-06-07 20 50 57) 俺は俺がいるところにいる。それだけだ -- ロック (2007-06-13 10 12 45) 私の居場所なんてどこにも無い -- 名無しさん (2007-06-30 12 23 20) どうして私は此処に居るの? -- 椎羅 (2007-07-01 20 00 12) このSSはいい -- 名無しさん (2007-07-07 17 26 19) 薔薇水晶と雪華綺晶の間をもらうわwwwww -- 名無しさん (2007-07-11 01 38 50) 私も居場所が無いわ・・・・・ -- 蘇芳 (2007-07-15 15 47 07) 誰が作ったの?作家になるといいよね。 -- ンゴゴ (2007-10-06 16 08 13) 私も無いなぁ… 不器用だし… -- ユリ (2008-03-01 23 14 15) 居場所があってもそこに物語(ロマン)はあるのかな? -- レーゼ (2008-12-26 16 08 54) 居場所は昔はあったんだが今はもう...まぁ、生きてる内に見つかると思うが -- レイ (2009-05-04 20 31 29) 名前 コメント
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ゆっくり夢幻 第一夜 こんな夢を見た。 腕組をして枕もとに座っていると、あおむきに寝たゆっくりれいむが、静かな声でゆっくり死ぬよと言う。 れいむは赤いリボンを枕に敷いて、輪郭のやわらかな饅頭顔をその中に横たえている。 真っ白な頬の底に温かい血の色がほどよく差して、口の中は若干赤い。 とうてい死にそうには見えない。しかしれいむは静かな声で、もう死ぬよとはっきり言った。 自分もたしかにこれは死ぬなと思った。 そこで、そうかね、もう死ぬのかね、と上から覗き込むようにして聞いてみた。 死んじゃうよ、と言いながら、れいむはぱっちりと眼を開けた。 勝気なうるおいのある眼で、長いまつげに包まれた中は、ただ一面に真黒であった。 その真黒なひとみの奥に、自分の姿が鮮やかに浮かんでいる。 自分は透きとおるほど深く見えるこの黒眼のつやを眺めて、これでも死ぬのかと思った。 それで、ねんごろに枕のそばへ口を付けて、死ぬんじゃなかろうね、大丈夫だろうね、とまた聞き返した。 するとれいむは黒い眼を偉そうにみはったまま、やっぱり静かな声で、ゆっくりしたけっかがこれだよと云った。 じゃ、私の顔が見えるかいと一心に聞くと、ゆっくりみえているよと、反り返ってみせた。 自分は黙って、顔を枕から離した。腕組をしながら、どうしても死ぬのかなと思った。 しばらくして、れいむがまたこう云った。 「しんだられいむをうめてね! 大きなしんじゅ貝であなをほってね! そしておそらから落ちてくる星のかけらをおはかにおいてね! そしておはかのそばにゆっくりまっていてね! れいむはあいに来るよ!」 自分は、いつ逢いに来るかねと聞いた。 「お日さまがでて、お日さまがしずんで、それからお日さまが出て、またしずんで―― あかい日があっちからこっちへ、あっちからこっちへとおちていくうちに―― おにいさんはゆっくりまてる人?」 自分は黙ってうなずいた。れいむは静かな調子を一段張り上げて、 「ひゃくねん待っていてね!」と思い切った声で言った。 「ひゃくねんおはかでまっていてね! ゆっくりあいにくるよ!」 自分はただ待っていると答えた。 すると、黒いひとみのなかに鮮やかに見えた自分の姿が、ぼうっと崩れて来た。 静かな水が動いて写る影を乱したように、流れ出したと思ったら、れいむの眼がぱちりと閉じた。 長いまつげの間から涙が頬へ垂れた。――もう死んでいた。 自分はそれから庭へ下りて、真珠貝で穴を掘った。真珠貝は大きな滑かな縁の鋭どい貝であった。 土をすくうたびに、貝の裏に月の光が差してきらきらした。湿った土の匂いもした。 穴はしばらくして掘れた。れいむをその中に入れた。 そうして柔らかい土を、上からそっと掛けた。掛けるたびに真珠貝の裏に月の光が差した。 それから星の破片の落ちたのを拾って来て、かろく土の上へ乗せた。星の破片は丸かった。 長い間大空を落ちている間に、角が取れて滑らかになったんだろうと思った。 抱き上げて土の上へ置くうちに、自分の胸と手が少し暖くなった。 自分は苔の上に坐った。 これから百年の間こうして待っているんだなと考えながら、腕組をして、丸い墓石を眺めていた。 そのうちに、れいむの言った通り日が東から出た。大きな赤い日であった。 それがまたれいむの云った通り、やがて西へ落ちた。赤いまんまでのっと落ちて行った。 一つと自分は勘定した。 しばらくするとまた唐紅(からくれない)の天道がのそりと上って来た。 そうして黙って沈んでしまった。二つとまた勘定した。 自分はこういう風に一つ二つと勘定して行くうちに、赤い日をいくつ見たか分らない。 勘定しても、勘定しても、しつくせないほど赤い日が頭の上を通り越して行った。 それでも百年がまだ来ない。 しまいには、苔の生えた丸い石を眺めて、自分はれいむにだまされたのではなかろうかと思い出した。 すると石の下から斜(はす)に自分の方へ向いて青い茎が伸びて来た。 見る間に長くなってちょうど自分の胸のあたりまで来て留まった。 と思うと、すらりと揺らぐ茎のいただきに、心もち首をかたむけていた細長い一輪のつぼみが、ふっくらとはなびらを開いた。 真ん丸な赤ん坊れいむが鼻の先でゆらゆらと揺れた。 そこへはるかの上から、ぽたりと露が落ちたので、れいむは自分の重みでふらふらと動いた。 自分は首を前へ出して冷たい露のしたたる、丸いれいむを齧った。 自分がれいむから顔を離す拍子に思わず、遠い空を見たら、あかつきの星がたった一つ瞬いていた。 「百年はもう来ていたんだな」とこの時始めて気がついた。 第三夜 こんな夢を見た。 赤ん坊まりさをおぶってる。たしかにまりさの子である。 ただ不思議な事にはいつの間にか眼が潰れて、盲饅頭になっている。 まりさが赤ちゃんの眼はいつ潰れたのと聞くと、ずっとむかしだよと答えた。 声は子供の声に相違ないが、言葉つきはまるで大人である。しかも対等だ。 左右は青田である。道は細い。鷺の影が時々闇に差す。 「たんぼへかかったね!!!」と背中で云った。 「ゆっ、どうしてわかるの?」と顔をうしろへ振り向けるようにして聞いたら、 「だってさぎさんが鳴いたよ!!!」と答えた。 すると鷺がはたして二声ほど鳴いた。 まりさは我が子ながら少し怖くなった。こんなものを背負っていては、この先どうなるか分からない。 どこかにゆっくり捨てようと向うを見ると闇の中に大きな森が見えた。 あそこならばと考え出す途端に、背中で、 「ゆゆん」と云う声がした。 「わらわないでね!」 子供は返事をしなかった。ただ 「おとーしゃん、まりちゃはおもい?」と聞いた。 「おもくないよ!」と答えると 「ゆっくりおもくなるよ!!!」と云った。 まりさは黙って森を目じるしにはねて行った。田の中の道が不規則にうねってなかなか思うように出られない。 しばらくすると二またになった。まりさは股の根に立って、ちょっと休んだ。 「いちがゆっくちたっているはずだよ!」と子ゆっくりが云った。 なるほど八寸角の石が腰ほどの高さに立っている。 表には左り日ケ窪、右堀田原とある。 闇だのに赤い字が明らかに見えた。赤い字はいもりの腹のような色であった。 「ゆっくちひだりへいっちぇね!」と子ゆっくりが命令した。 左を見るとさっきの森が闇の影を、高い空からまりさらの頭の上へなげかけていた。 まりさはちょっと躊躇した。 「えんりょちないでね!!!」と子ゆっくりがまた云った。 まりさは仕方なしに森の方へはね出した。 腹の中では、よくめくらのくせに何でも知ってるなと考えながら一筋道を森へ近づいてくると、背中で、「めきゅらはゆっくりふじゆうだね!」と云った。 「だからおんぶしてあげてるでしょおおおお!」 「ゆっ、おんぶありがちょうね! でもばかにしてりゅね! おやにまでばかにされちゃったよ!!!」 何だかいやになった。ゆっくりしないで森へ捨ててしまおうと思って急いだ。 「もうちょっといくとわかりゅよ!――ちょうどこんなよるだったよ!!!」 と背中でひとりごとのように云っている。 「ゆゆっ? なんのこと?」ときわどい声を出して聞いた。 「なんのことって、しってるでちょ!」と子ゆっくりはあざけるように答えた。 すると何だか知ってるような気がし出した。けれどもはっきりとは分からない。 ただこんな晩であったように思える。そうしてもう少し行けば分かるように思える。 分かっては大変だから、分からないうちに早く捨ててしまって、安心しなくってはならないように思える。 まりさはますます足を早めた。 雨はさっきから降っている。路はだんだん暗くなる。ほとんど夢中である。 ただ背中に小さい子まりさがくっついていて、その子ゆっくりがまりさの過去、現在、未来をことごとく照らして、寸分の事実も洩らさない鏡のように光っている。 しかもそれが自分の子である。そうして盲目である。まりさはたまらなくなった。 「ここだよ、ここだよ! ちょうどその杉のねもとだよ!!!」 雨の中で子ゆっくりの声ははっきり聞こえた。まりさは覚えず留まった。 いつしか森の中へ入っていた。一間ばかり先にある黒いものはたしかに子ゆっくりの云う通り杉の木と見えた。 「おとーしゃん! そのすぎの根のところだったね!!!」 「ゆっ、そうだよ!」と思わず答えてしまった。 「ぶんか五年たつどしだったね!!!」 なるほど文化五年辰年らしく思われた。 「おとーしゃんがまりちゃをころちたのは、いまからちょうどひゃくねんまえだね」 まりさはこの言葉を聞くや否や、今から百年前文化五年の辰年のこんな闇の晩に、この杉の根で、一人の子まりさを殺したと云う自覚が、忽然として頭の中に起った。 まりさはひとごろしだったんだねと始めて気がついた途端に、背中の子まりさが急に石地蔵のように重くなった。 第九夜 魔法の森中が何となくざわつき始めた。 今にもスペカバトルが起こりそうに見える。 焼け出された魔理沙が、夜昼となく、屋敷の周りを暴れまわると、それを夜昼となくアリスがひしめきながら追っかけているような心持ちがする。 それでいて森のうちはしんとして静かである。 巣には若い母れいむと子れいむがいる。父まりさはどこかへ行った。 まりさがどこかへ行ったのは、月の出ていない夜中であった。 巣の中でわらじをはいて、黒い頭巾をかぶって、裏口から出て行った。 その時母れいむのくわえていた雪洞(ぼんぼり)の灯が暗い闇に細長く射して、古い檜を照らした。 父まりさはそれきり帰って来なかった。 母れいむは毎日子れいむに「おとーさんは?」と聞いている。子れいむは何とも云わなかった。 しばらくしてから「あっち」と答えるようになった。 母れいむが「いつかえってくるかな!!!」と聞いてもやはり「あっち」と答えて笑っていた。 その時は母れいむも笑った。そうして「ゆっくりかえってくるよ!!!」と云う言葉を何べんとなく繰り返して教えた。 けれども子供は「ゆっくり」だけを覚えたのみである。 時々は「おとーさんはどこ?」と聞かれて「ゆっくち!」と答える事もあった。 夜になって、あたりが静まると、母れいむはリボンを締め直して、小枝を髪の間へ差して、子れいむを背中へ背負って、そっと巣から出て行く。 母れいむはいつでも素足だった。子れいむはこの饅頭の音を聞きながら母の背中で寝てしまう事もあった。 土塀の続いている涸れ川を西へくだって、だらだら坂を降り尽くすと、大きなイチョウがある。 このイチョウを目じるしに右に切れると、一丁ばかり奥に朱塗りの鳥居がある。 片側は田んぼで、片側は熊笹ばかりの中を鳥居まで来て、石段をぴょんぴょん登ると、暗い神社になる。 鳥居まで来て、それを潜り抜けて二十間ばかり敷石伝いに突き当ると、古い拝殿の前に出る。 ねずみ色に洗い出された賽銭箱の上に、大きな鈴の紐がぶら下がって昼間見ると、その鈴のそばに博麗神社と云う額がかかっている。 博の字が、ゆっくりした書体にできているのが面白い。 そのほかにもいろいろの呪符がある。 たいていは巫女の手にした呪符を、倒した妖怪の名前に添えたのが多い。 たまには帽子を納めたのもある。 鳥居をくぐるとたまに巫女が掃き掃除をしている。 石畳に饅頭肌の音がぴちゃぴちゃする。 それが拝殿の前でやむと、母れいむはまず鈴を鳴らしておいて、すぐにしゃがんでジャンプをする。 たいていはこの時フクロウが急に鳴かなくなる。 それから母れいむは一心不乱にまりさの無事を祈る。 母れいむの考えでは、まりさがゆっくりしたまりさであるから、ゆっくりの神の博麗へ、こうやって是非ない願をかけたら、ゆっくりかなうはずだと一途に思いつめている。 子れいむはよくこの鈴の音で眼をさまして、あたりを見ると真暗だものだから、急に背中で泣き出す事がある。 その時母れいむは、ゆっくりしていってねと叫びながら、背を振ってあやそうとする。 するとうまく泣きやむ事もある。 またますますはげしく泣き立てる事もある。 いずれにしても母れいむは容易に立たない。 一通りまりさの身の上を祈ってしまうと、今度はリボンを解いて、背中の子を前へ廻して、口にくわえて拝殿へのぼって行って、 「あかちゃん、ゆっくりまっていてね!!!」と自分の頬を子供の頬へすりつける。 そうしてリボンを長くして、子れいむを縛っておいて、その片端を拝殿の欄干にくくりつける。 それから二十間の敷石を往ったり来たりぴょんぴょんお百度を踏む。 拝殿にくくりつけられた子れいむは、暗闇の中で、リボンのゆるす限り、広縁の上を這)い廻っている。 そういう時は母れいむにとって、はなはだ楽な夜である。 けれども縛った子れいむにゆんゆん泣かれると、母れいむは気が気でない。 お百度の足が非常に早くなる。大変息が切れる。 仕方のない時は、中途で拝殿へ上がって来て、いろいろすりすりしておいて、またお百度を踏み直す事もある。 こういう風に、幾晩となく母れいむが気を揉んで、夜の目も寝ずに心配していた父まりさは、とくの昔にお兄さんのために虐殺されていたのである。 こんな悲しい話を、夢の中で母から聞いた。 (原案、漱石:夢十夜) ===================================================================== YT 過去作品 その他 エレベーターガール そ その他 変身 そ ゆっくりいじめ系27 幻想鉄道の動物対策 虐 機 霊夢×ゆっくり系2 博麗神社の酒造り 虐 料 その他 諸君私はゆっくりが好きだ そ 美鈴×ゆっくり系2 ほんめーりん×ゆっちゅりー甘甘水責め 虐 そ その他 FireYukkuri そ ゆっくりいじめ系187 終端速度 虐 家 無 永琳×ゆっくり系11 八意永琳のアルティメット・サイエンス 虐 そ ゆっくりいじめ系281 冬眠ゆっくりの子守唄 そ 環 性 家 ゆっくりいじめ系312 乙女よ、森はまだ早い 虐 性 無 ゆっくりいじめ系345 ゆっくり塊魂 虐 魔理沙×ゆっくり系4 ゆっくりの身の程 このSSに感想を付ける
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『価値観の違い』 それは異様な光景だった。 百を超えるゆっくりが二つに分かれて対峙している。 一つは背後に森を背負っており、ゆっくり達は皆、枝や石などで武装していた。 もう一方は人間の育てている畑を背後としており、成体ゆっくりから赤ゆっくりも混ざっており、皆不安そうな顔をしている。 だが何よりも際立っているのは、そのどちらにも黒い帽子を被った巨大な饅頭―――つまりドスまりさが居るという事だ。 ドスを長にもつ群れが互いの親交を深めている―――様には見えない。 森側のゆっくり達の携帯した武器と、不安そうな畑ゆっくり達を見ればそれは明らかだ。 「まりさ!ドスの使命をわすれのたのかだぜ!ドスはゆっくりをゆっくりさせるのぜ!」 「ゆぅ……まりさはみんなをゆっくりさせているよ?」 「嘘をつくなだぜ!!それでもドスなのかだぜ!?」 大声で叫ぶ森側ドス(森ドス)と静かに答える畑側ドス(畑ドス)。 森ドスは生粋の野生であり、生まれてから今に至るまで、ずっと森の中で生活してきた。 ありすとまりさの番の7人姉妹の長女として生まれ、数匹の妹達は自然現象や野生動物の手にかかり死んだが、まりさは無事大人へと成長できた。 独り立ちし、自立した生活ができるようになり、そろそろ番を作ろうかと思っていたらドスへと変化していた。 ドスに会った事はなかったが、ドスの役割というのはなんとなく理解していた。 『ドスとして群れを治めゆっくりをゆっくりさせなければならない』 ドスとなったまりさは群れをつくり、有能なぱちゅりーを補佐としてたて、群れの個体数を調整し、冬篭りに備えて食料を備蓄し、外敵からゆっくりを守り、素晴しいゆっくりぷれいすを作り上げた。 だがそんな時、群れに酷い傷を負ったゆっくりが訪れた。 それは人間によって虐待を受けたゆっくりだった。 ドスは人間を見たことなかったが、聞くところによると人間は、ゆっくりをゆっくりさせない、とてもゆっくりできない存在らしい。 ドスの使命はゆっくりをゆっくりさせること―――。 ドスは決めた。 『人間によってゆっくりできないゆっくりを開放する』と。 人間はゆっくりを見るとすぐさま潰そうとしてくるらしい。 ドスは群れのゆっくりを『戦えるゆっくり』にするために、ゆっくりみょんの剣術を皆に教え、人間との戦いに備えた。 同時に偵察ゆっくりを森の外に送り、森の外のどこに人間がいるか調べた。 そして群れの訓練を終えた時、この森の麓に人間に捕まったゆっくりが大量に居るという情報を得、手始めにそこのゆっくりを開放する為、赤・子ゆっくりは一部のゆっくりに任せ、戦闘ゆっくり達と共に森を出てきたのだ。 一方の畑ドスは、なんと町で野良生活をしてたまりさがドスへと変化したものだった。 街での生活は過酷だった。 幼いときに駆除によって片親をなくし、父まりさの手によって育てられた。 あと少しで独り立ちというときに父まりさも駆除によって死んだ。 街ゆっくりはいつ死んでもおかしくないので、機会があればすぐにでも番を作り子を作る。 まりさもその例に漏れなかったが、その番と子供も駆除によって全滅した。 他にも、猫や烏、犬など……様々な恐怖を乗り越えまりさは成長した。 そしてある日ドスになったが、まりさは既に一つの結論に達していた。 まりさは、人間に飼われとてもゆっくりしているゆっくりを知っている。 中にはそれをかさにきて野良ゆっくりをいじめる飼いゆっくりもいた。 自分たちが恐れる動物でさえ人間を避け、同時に人間の元で暮らす動物はゆっくりしているように見えた。 ゆっくりしたお家。 ゆっくりした食べ物。 ゆっくりした暮らし。 その全ては人間が握っている。 『ゆっくりするには人間に気に入られなければならない』 ドスになったからといって人間に勝てるだなんて思わなかった。 長く街ゆっくりをやっていたまりさにとって、人間という存在は絶対的な力の対象となっていたのだ。 同時に同じような思いを持つゆっくりを集め、そのことを優しい人間に相談すると、郊外のこの農場を紹介してくれたのだ。 なのでドスたちがこの畑に居るのは、労働力として働く代わりに人間の保護を受けるというものだったのだ。 ちなみにこの畑の作物は『ゆっくりが作るゆっくりした作物』(完全無農薬天然栽培)という触れ込みのもと売買されている。 お互いにゆっくりを目指してそれなりの結論を出したドス同士だった。 だが、その溝は深かった。 「どうしてドスが人間と一緒に居るんだぜ!!人間はゆっくりしてないんだぜ!ゆっくりを苦しめる存在なんだぜ!!」 「そうだよ!そんなんにんげんといっしょにいるなんてゆっくりしてないどすだよ!!」 「そんなどすといっしょにいるなんて、おお、あわれあわれ!」 「ゆっくりしてないよっ!」 森ドスのゆっくり達も畑ドスとそのゆっくりを非難する。 「それは一部の人間さんだよっ。ここの人間さんはとてもゆっくりさせてくれるよっ!」 「しょうだよっ!おにーしゃんはゆっきゅりしちぇるよっ!」 「とかいはなおにいさんとどすをぶじょくするなんてとんだいなかものねっ!」 「そうだよっ!」 畑ドス側も負けてはいない。 「ゆゆっ?あのゆっくりたちはとてもゆっくりしてるよ?」 「にんげんはぜんぶわるいやつじゃないの?わからないよー?」 「わからないみょん!どういうことなんだみょん?」 だんだんと森ドス側のゆっくり達にざわめきが広がりつつある。 こっちにもドスは居るが、あっちにもドスが居る。 元より森ドスにとってコレは予測していなかった事だった。 森ドスが聞いたのは虐待を受けたゆっくりである。 そのゆっくりが人間のことを悪く言うのは当然であるし、ドスも人間の事をよく知ろうともしなかった。 群れのゆっくりも、人間の事をあまり知らずにここまで事を進めてしまったので、当然といえば当然である。 一方の畑ゆっくり達はいろんな意味で人間を知り尽くしたゆっくりである。 同時に、ゆっくりする為には人間と上手くやっていかなければならないと理解した頭のいいゆっくりでもある。 しっかりと自分自身で判断し、畑ドス側に居るので迷いなどはなかった。 「ゆぐぅ……まりさ!本当にそれでいいのかだぜ!人間に媚売って自分たちだけゆっくりするだけでいいのかだぜ!?」 ゆっくりはゆっくり全てをゆっくりさせる。 森ドスにとってはそれが全てだった。 「全てのゆっくりをゆっくりさせるなんてできないよ。まりさが面倒見切れる範囲内で、人間さんとゆっくりできるゆっくりと一緒にゆっくりしたいよ」 畑ドスの考えに理解を示すゆっくりはほんの一握りだ。 それ以外のゲスや頭の悪いゆっくりがここに入り込めば、たちまち人間との関係は悪化し、畑の群れは崩壊するだろう。 畑ドスはそれだけは防ごうと思っていた。 「ドススパークやゆっくりオーラは何の為にあるのだぜ!?ゆっくりをゆっくりさせる為!ゆっくりをゆっくりできないものから守るためなのぜ!!」 森ドスは帽子の中からキノコを取り出し掲げてみせる。 ドススパークやゆっくりオーラの発生源となるキノコは、大きく立派に育っており、森ドスの帽子の中には未だ幾つかのストックがあった。 「まりさはキノコさんをもってないよ」 「ゆあっ!?」 畑ドスの返答に森ドスは驚愕する。 「人間さんと一緒に暮らすため、キノコさんを生えないようにしてもらったよ。それにキノコさんはもう、人間さんが別の畑で作ってるから特別じゃないよ」 畑ドスがお帽子を取った。 「!!」 「ゆゆっ!?どすのあたまさんが?!」 「はげまんじゅううううううぅぅぅ!?」 畑ドス自ら頭を焼き、キノコを生えないようにしたのだ。 自分が人間に逆らう意思がないこと。 何とかして友好的な関係を作りたいと思っていることを精一杯アピールした結果である。 自分のゆっくりできることを犠牲にした、畑ドスの精一杯の誠意だった。 そのかいあって何とか今の状態を作り出すことができたのだ。 なお、頭頂部は焦げ目だけが残り、金髪の髪の毛は帽子からはみ出た部分しかないのだ。 この畑ドスの姿を見た森ドスは結論を下した。 「そうなのかだぜ……わかったのぜ……」 「ゆぅ。わかってくれたんだね。まりさ達はまりさ達のやり方があるんだよ。森のみんなはこれからも森の中で『まりさはドス失格なのぜ』……ゆ?」 よく見ると森ゆっくり達の様子もさっきとは違ったものになっている。 完全に、畑ドスとゆっくり達を見下したものだ。 「ゆぷぷっ!はげあたまのどすのむれのゆっくりなんてゆっくりできないねっ!」 「ゆっくりできないゆっくりはせいっさいなのぜっ!!」 「しょせんにんげんにこびをうるいなかもののどすとゆっくりね!」 「まりさはドスとしての誇りも使命も忘れたおろかなドスなのぜ……!そんなドスは……真のドスの名の下に制裁するよっ!!」 森まりさがキノコを口に運ぶ。 「ま、まりさっ!!」 「無能なドスが口を開くんじゃないのぜ!!まりさはこれから人間を制裁してゆっくりによるゆっくりの為のゆっくりプレイスを作るのぜ!!」 「そうだよ!れいむがゆっくりスタめのゆっくりぷれいすだよっ!!」 「じゃまをするどすはしぬんだねー。わかるよー!!」 「むのうなどすとゆっくりはしねだみょん!!」 どうやら畑ドス達を完全に敵とみなしたようだ。 「ど、どすぅー!!!」 「わ”、わがらなあああああ!?」 畑ゆっくり達は自分たちに向けられる殺意に完全にすくみあがっている。 「どぼうじでわがっでぐれないのおおおおおぉぉぉ!?まりさ達はまりさ達のやり方でゆっくりするよっ!!こんなところでドススパークを撃ったら人間さんに殺されちゃうよ!!帰ってね!!森に帰ってもうここには来ないでね!!」 「煩いんだぜ!!無能などドスはゆっくりしねっ!!むーしゃ!むーしゃ!行くのぜ!ド―――」 バフンッ 森ドスがドススパークのために大きく口を開けた時、森ゆっくり達が居る場所めがけて何かが飛んで行き、ドスの目の前で破裂した。 「ゆゆっ!?」 それは赤い霧を作り出し、森ゆっくり達を包み込んだ。 「な、なんなのぜこれは!?よく見えないのぜっ……ゆぅっ……ぎいぃ!?」 途端に、全身に走る激痛。 「ゆんぎゃあ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”ぁぁぁぁぁ!?!?」 森ドスの悲鳴を皮切りに、それは森ゆっくり達にも伝染していく。 「い”っ、い”ぢゃい”い”い”い”い”い”い”い”い”ぃぃぃぃぃ!!あんござんばい”ぢゃい”よ”お”お”お”お”お”お”お”ぉぉぉぉぉ!!」 「ゆんぎゅぎゃあああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁ!!」 「び、びえないいいいい!!!おべべがびえないいいいいい!!いだいいいいいいいい!!!」 「がらっ!がらっ!!かはっ!!がはっ!!」 「ゆぶぶぶぶぶっ!!ゆべえええええええ!!」 霧ではなく煙玉。 煙の成分は辛味成分を凝縮した『ゆっくりの群れ駆除用辛味煙幕』。 赤・子ゆっくりならば即死。 成体でも数分で死亡。 ドスであっても数十分で死に至る。 数分後。 森ドスはむーしゃむーしゃしていたキノコを口に含んだまま地面に倒れ付していた。 目は真っ赤ですでにかすれており、舌と涎と涙をだらだらと垂らし、しーしーを大量に漏らしている。 続いてなにやら白い雨のようなものが降ってきた。 それは中和剤で、既に人間が近くまで来ており作業を始めていた。 なおドスは死んでいない為中和剤はかけられない。 「ゆげっ……み”み”んな……」 ドスが目を向けた場所にあったのは大量のゆっくりの死骸だけ。 どのゆっくりも餡子を吐き散らし、涙と涎としーしーにまみれ、苦悶の表情を浮かべて息絶えている。 人間がその死体を袋につめる。 実に淡々とした作業だった。 「あ”……あ”……あ”……」 「まりさ……」 その近くに畑ドスが近づく。 「どうして帰ってくれなかったの?どうして人間さんに関わろうとなんてしたの?森の中でゆっくりしていれば、ずっとゆっくりできたのに……」 畑ドスが悲しそうに言う。 ドスは他の畑ゆっくり達はその場から立ち去らせており、この凄惨な場面を見なくてよいようにしていた。 「ど、どず……ば……ゆっぐいを……ゆっぐり……ざ、ぜ……」 「ゆっくりしてたよ?まりさ達の群れはとてもゆっくりしてたよ?羨ましかったよ……。でも……もう……みんな死んじゃったよ。きっと残った子供達も人間さんに殺されちゃうよ。人間さんは容赦しないよ。みんな……みんな……死んじゃうよ?」 「ど、どぼじ……で……?ばでぃざば……ゆっぐり……を、ゆっぐ……り……」 「……ここは森じゃないんだよまりさ……。まりさとまりさ達は同じゆっくりだけど全然違う場所に生きてるんだよ……。まりさはその境界線を越えちゃったんだよ……。そうしたら、もう、ゆっくりできないんだよ……でも、まりさ……ありがとう。ごめんね……」 「ゆ”っ……ゆ”っ……ゆ”っ……」 森ドスは死んだ。 その時、雨が降ってきた。 人間が作業を中断し戻って行く。 雨が降ればゆっくりの死骸は全て溶けてしまう。 作業の手間が減るのだ。 「ドス。帰るぞ。……残念だったな」 人間の一人がそう言って引き上げて行く。 「……」 ドスは呟く 同じゆっくりだったのに、最後までお互いに交わせなかった言葉を。 「まりさ……ゆっくりしていってね」 帰ってくるはずのない返事を待つかのように、畑ドスはいつまでも雨の降る草原に佇んでいた。 読んでくださりありがとうございました、 前回の投稿でもご指摘がありましたが、最大の悩みが『ゆっくりの言葉』が書けないのです。 なんか、普通の人間が話ってるっぽくなってしまう(以前の『あるドスのゆっくり』でもご指摘がありましたが)。 他の皆様が書かれているようなゆっくりの豊な言葉(主にスカッとする悲鳴や命乞いw) をしっかりと書けるようにしたいです。 ふたば系ゆっくりいじめ 433 ゆっくり親子 とクズ人間 ~Another~ ふたば系ゆっくりいじめ 496 あるドスのゆっくり ふたば系ゆっくりいじめ 530 絶対的虐待意思 ふたば系ゆっくりいじめ 650 絶対的虐待意思 0 ふたば系ゆっくりいじめ 684 ドス以外いらん ふたば系ゆっくりいじめ 733 あるドスの最後 ふたば系ゆっくりいじめ 745 絶対的虐待意思 ~せめてゆっくりらしく~ ふたば系ゆっくりいじめ 815 おかねさんとゆっくり ふたば系ゆっくりいじめ 901 原材料 ふたば系ゆっくりいじめ 935 底辺ゆっくり ふたば系ゆっくりいじめ 1314 どぼじでごんな”ごどずるの”おおおぉぉ このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! ◆SS感想掲示板 絶対あき感想スレへ ※書き込む時はSSのタイトルを書いて下さい。 コレをコピーしてから飛びましょう→『ふたば系ゆっくりいじめ 1325 価値観の違い』 トップページに戻る
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てんこがゆっくりするSSさん 4KB ※駄文、稚拙な表現注意。 ※俺設定注意 ※『ふたば系ゆっくりいじめ 440 れいむとまりさとありすとぱちゅりーがゆっくりするSSさん』をリスペクトして作りました。 ※「ふたば系ゆっくりいじめ 440 れいむとまりさとありすとぱちゅりーがゆっくりするSSさん」を先に読むことをお勧めします。 ※短いうえ、メタ視点注意 ※読みづらい文章注意 ※「あるゆっくりできない2匹の一生」のドMてんこが餡庫の「れいむとまりさとありすとぱちゅりーがゆっくりするSSさん」を読んでSSを考えました。 あんまりしつこくてんこが頼むので長月はそれを清書し、パソコンに打ち込み、餡庫にUPしました。 つーか、てんこ、お前は次の作品、ゲスト出演するんだからさっさと戻って来い!! てんこがゆっくりするSSさん 作、長月(てんこ?) 注意事項 てんこが悪い子、または虐待したいとおもったら、コメントで「とくになし」のぼたんさんを押してね。 てんこを虐待できるよ。 『てんこは悪いこです。ちょう悪い子です。 虐待されてもしょうがないぐらい悪い子です。 今日もあきかんさんをポイ捨てしました。あとお年寄りさんに席をゆずりませんでした。 お風呂さんにはいりませんでした。ごはんさんを食べるとき「いただきます」をしませんでした。 てんこは救いようもなく悪い子でした。(注てんこは悪い子)』 さあどくしゃさん。てんこをいじめてね。こめんとさんで「とくになし」をおしてね。 さあはやく。 えっ、どーしてむしするのおおおおお!!! まだわるいことがたりないのおおおおお!!! よーしそれなら。 『てんこは悪いこです。ちょう悪い子です。 ゲスまりさやでいぶ、のーぶるゆっくりが悪いことをするのも全部てんこのせいです。 不況さんも政治家さんの汚職さんも全部てんこがやらせたことです。大悪党です。 てんこは救いようもなく大悪党でした。(注てんこは大悪党)』 さあ、なぐってね。けってね。しばってね。 こめんとさんで「とくになし」をおしてね。 ・・・どーしてまた、むしするのおおおおお!!! てんこもうまちきれないのよおおおおお!!!! 『てんこは悪いこです。ちょう悪い子です。(注てんこは悪い子) 今日はゆうかをいじめました。「このメス豚ゆうかめ!!」とかいっていじめました。(注てんこは悪い子) あとめーりんもいじめました。さくやとさなえもいじめました。(注てんこは悪い子) てんこは悪い子でしかもいじめっこです。(注てんこは悪い子)』 もうじゅうぶんでしょぉおおおお!! ほんとはてんこだっていじめたくないんだよぉおおおお!!! いじめられるほうがいいのよぉおおおおお!!! はやくモヒカンあたまでハーレーにのって、ひやっはーって、てんこをさらってねぇええええ!!! えっまだたりないのぉおお!? じらしすぎよぉおおおお、おにいさん!!! 『てんこは(注てんこは悪い子)悪い(注てんこは悪い子)こです。ちょう(注てんこは悪い子)悪い子です。(注てんこは悪い子) きょうは(注てんこは悪い子)おにいさん(注てんこは悪い子)にぷくーっ(注てんこは悪い子)をしました。(注てんこは悪い子) おうち(注てんこは悪い子)せんげん(注てんこは悪い子)も(注てんこは悪い子)しました。(注てんこは悪い子) て(注てんこは悪い子)ん(注てんこは悪い子)こ(注てんこは悪い子)は(注てんこは悪い子)悪(注てんこは悪い子)い(注てんこは悪い子)子(注てんこは悪い子)で(注てんこは悪い子)す。』 さあ、さぶみりなるこうかさんまでつかったのよぉおおおお!!! はやくてんこをいじめてねぇえええ!!もうてんこ、まむまむがぬれぬれなのよぉぉおお!!(ジョロジョロー) たとえるなら「いんらんだんちづまじょうたいっ!!」なのよぉおおおおお!!! さあ・・・・ 長月よりお詫び SSの途中ですがてんこの行動があまりにきもくなってきたので強制終了させていただきます。 お見苦しいSSを見せてしまったことを深くお詫びいたします。 あとがき 何、書いてるんでしょう俺は。あるドスまりさの一生の続き書いてたはずなのに。 『れいむとまりさとありすとぱちゅりーがゆっくりするSSさん』の作者さん、本当にすいません。 今まで書いた作品 ふたば系ゆっくりいじめ 176 ゆっくりちるのの生態(前編) ふたば系ゆっくりいじめ 185 選ばれしゆっくり ふたば系ゆっくりいじめ 196 新種ゆっくり誕生秘話 選ばれしゆっくり番外編 ふたば系ゆっくりいじめ 208 ゆっくり見ていってね ふたば系ゆっくりいじめ 218 またにてゐ う詐欺師てゐの日々 ふたば系ゆっくりいじめ 227 VS最強のゆっくり 史上最低の戦い ふたば系ゆっくりいじめ 247 夢と現実のはざまで ふたば系ゆっくりいじめ 264 あるまりさの一生 ふたば系ゆっくりいじめ 298 ゆっくりを拾ってきた ふたば系ゆっくりいじめ 336 ゆっくり Change the World(出題編) ふたば系ゆっくりいじめ 357 ゆっくり Change the World(出題編2) ふたば系ゆっくりいじめ 391 ゆっくり Change the World(解答編) ふたば系ゆっくりいじめ 400 あるゆっくりできない2匹の一生 あるドスまりさの一生 とてもゆっくりした群れ(前編) 長月の作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る とくになし -- 2019-03-07 01 37 27 とくになし -- 2019-03-07 01 34 53 とくになし -- 2017-06-23 14 41 03 tokuninashi -- 2017-02-26 23 59 13 とくになし -- 2017-01-30 06 44 44 はぁはぁ、ドMな鬼意山も虐めてね! -- 2017-01-03 12 45 50 とくになし -- 2017-01-02 16 26 56 とくになし -- 2016-11-02 01 21 46 何これ -- 2016-03-31 01 07 41 特にあり特にあり特にあり特にあり特にあり特にあり特にあり特にあり特にあり特にあり特にあり特にあり特にあり特にあり特にあり特にあり特にあり特にあり特にあり特にあり特にあり特にあり特にあり特にあり特にあり特にあり特にあり特にあり特にあり特にあり特にあり特にあり特にあり特にあり特にあり特にあり特にあり特にあり特にあり特にあり特にあり特にあり特にあり特にあり特にあり特にあり特にあり特にあり特にあり特にあり特にあり特に -- 2016-02-21 23 36 25 トクニナシ -- 2015-12-28 01 48 53 特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし特になし -- 2015-11-29 20 09 49 とくになし -- 2015-07-20 17 36 30 とくになし -- 2015-07-20 17 35 18 とくになし -- 2015-07-12 14 50 58 とくになし -- 2015-04-27 16 41 15 とくになし -- 2014-01-25 00 29 50 とくになし -- 2014-01-16 15 47 45 とくになし -- 2014-01-04 16 47 54 とくになし -- 2013-08-11 20 24 39
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ゆっくり種3 10KB パロディ 悲劇 誤解・妬み ドスまりさ 希少種 自然界 現代 種のパロディの続きです。 『ゆっくり種3』 希少種 独自設定満載 パロディ 種の荒筋に沿っているだけなので先読み余裕です。 つまらないでしょうが始め出してしまったので完結までなんとかやらして下さい。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー どんな戦いにも始まりがあればかならず終わりがくる。 先日の砂浜での攻防により、ドスまりさやあーくえんじぇるさんの群れにも殉職者が多数でてしまった。 敵の司令官を倒す事により、辛くも勝利を収める事は出来た。 しかし、勝ったからといって得る物は少なかった。 むしろ失った物の方が多かったのかもしれない、 戦い疲れ、みんな死んだように眠りについた。 この勝利によって希少種が滅亡した訳ではない、 自分等が優勢になった訳でもない、 ただ、目の前の争いに生き残っただけである。 皆が休息の眠りについている中で、釣船の上から戦の痕跡を見つめる小さな影があった。 森での襲撃に生き残った、子ありすである。 その小さな目に映るのは仲間の亡骸か、それとも今は亡き両親か・・・・ 一杯に涙を堪えながら覚悟を決めている様でもあった。 太陽が浜辺を照らしだすと、群れはのそのそと活動を始める。 動きが遅い、昨日の疲労はとれてはいない、 釣り船の群れの長と、あーくえんじぇるさんの長が、今後の動向を協議していた。 『ぱちゅは、やっぱりむこうのどすのところにいくわ。』 『それがいいかもしれないんだぜ、でもどすはこのむれをまもらなくてはいけないから、 いっしょにはいけないんだぜ・・・』 『むきゅう!いいのよ・・・だれもうまれたところははなれたくないものよ。』 『でもつれていってほしいゆっくりがいるんだぜ。』 『むきゅう?』 山向こうの群れへの移動計画を再開するぱちゅりー達に、 ドスまりさは、その旅に加えて欲しいゆっくりがいる事を申しでた。 『こいつらなんだぜ・・・・』 ドスまりさは2匹のゆっくりを連れてきた。 2匹共に希少種で、ぱちゅりーもこの群れに来た時から気になっていたゆっくりであった。 『ゆっくりしていってね!やまめはやまめだよ。 ・・・・ほら、こいしもはやくあいさつしてね。』 『・・・・こいしはこいしだよ。ゆっくりしていってね』 やまめに促されてこいしはぱちゅりーに挨拶をする。 『ぱちゅりーはぱちゅりーよ、ゆっくりしていってね!でもあなたたちは・・・・』 『それはどすがせつめいすんだぜ・・・・こいしたちは、きしょうしゅがせめてきたときに、 かせいしてくれた、ゆっくりできるゆっくりなんだぜ。』 『こいしはゆるせなかっただけだよ・・・・』 こいしは何やら、あの通常種を襲う希少種の群れに対して、思う事があってこの戦いに加わったようである。 『むきゅう・・・・・でもどうしてぱちゅたちのところに?』 当然、疑問に思う問題であった。 この問いにはやまめが答えた。何やらこいしはこの権については納得してない様子であった。 『ぱちゅたちのいくほうこうに、やまめたちのむれがあるんだよ。 だからそこまでいっしょにつれていってほしいんだよ。』 どうやら、こん海岸沿いに自分等の住処がある様子である。 一緒にといっても、その場所までの同行のようだ。 『こいしはやっぱり・・・・『こいし!』・・・・。』 こいしが何かを言いかけたのを、やまめが制止する。 『こいし?どすはこいしのおかげでとってもゆっくりできたんだぜ! でも、いつまでもこいしにゆっくりさせてもらってたんじゃ、こいしのむれにもうしわけないんだぜ!』 ドスまりさもこいしの帰郷を促す。 こうしてあーくえんじぇるさんに2匹の仲間が加わる事になった。 故郷の森を出て以来、いつもさとりの周りにいた子ありすであったが、 先日の戦い以降はべったりになった。 さとりも妹が出来たようで嬉しく感じてはいたのだが、子ありすの心境の変化には、気が付かなかった。 そして、子ありすがさとりにべったりなのを、好ましく思わない者がいた。 こいしもさとりに惹かれて周りにいる1匹だった。 同じ希少種であると言う事も親近感を湧かせている要因だった。 『おねちゃん。ありちゅとごはんさんむちゃむちゃちまちょう。』 『こいしといっしょにかりにいきましょう!』 2匹は何かと理由をつけてはさとりを取り合う日々が続いた。 困惑しつつも、2匹ともさとりにとっては可愛い妹のように思っていたので、 群れの仕事をこなしつつ、2匹とも仲良く暮らしていけるよう頑張った。 そんな日々も長くは続かなかった。 再び希少種があーくえんぜるさんを襲い始めたのだ。 『ゆっくりねらうんだぜぇ!!』 『とりがじさんにじゅうど!ぜんぽう、あのすなやまさんのかげへいくみょん!』 『わかったんだよ~いそぐんだよ~!』 ドスまりさがドススパークを打つべく体勢を固定する。 その射角から逃れるべく、みょんの指示が飛び交った。 側面からは、さなえとゆうかがスィーに乗って攻撃してくる。 『やらせないよ!』 ゆうかのスィーに、スィまりさは石礫で牽制をかけながら、あーくえんぜるさからの引き離しを図る。 『つうじょうしゅのくせになまいきなぁ!』 相手の意図は判りつつも、通常種ごときに舐められるのを嫌うゆうかは、 あーくえんぜるさんは他にまかせてスィまりさを追った。 残るさなえの相手はさとりに任された。 『さなえ・・・・』 『さとりもさなえたちのむれにこない?』 『だめ・・・いけない・・・みなをおいてはいけない・・・』 『さとりはだまされているのよ!さとりはさなえとおなじきしょうしゅなのよ? つうじょうしゅのなかまじゃないのよ?』 さとりは、ふらんへと変化し飛びながらさなえを引き離しにかかった。 引き離しの作戦にはさなえも気が付いていたが、さなえもさとりと話したい事があったのでわざと誘いに乗った。 その間、あーくえんぜるさんはドスまりさのドススパークを交わしながら逃走を続けていた。 『さなえのなかまにならなかったら・・・・たたかわないといけないのよ?』 『さとりは・・・さなえとはたたかいたくありません・・・』 『なら・・・・どうして?』 『さとりは・・・どうすれば・・・・』 2匹は距離を置いた状態で対峙したまま動けずにいた。 さとりが俯いた瞬間、影が動いているのを見つける。 『おお、ちゃんすちゃんす』 きめいまるがずっとこの2匹について来ていて、さとりの隙を窺っていたのだ。 口には棒が咥えられている。 駄目だ!避けられないと思った瞬間、またさとりの中で何かが弾ける。 ザシュ 『おお、むねんむねん・・・』 きめいまるは瞬時にみょんへと変化したさとりに腹部を大きく切り裂かれる。 とっさの事で殺すつもりは無かったさとりであったが、自分はまだ死ぬ訳にはいかない その思いが瞬時に反応し、きめいまるを討ち取ってしまったのだ。 『うそ・・・うそでしょ?・・・・き・・めい・まる?・・・・ さとりぃぃぃぃぃ!!!!!!!!』 目の前での仲間の死に一瞬だけ呆然としたが、即座にさとりへ襲いかかるさなえ。 バシュゥ! さなえの石礫がさとりを狙い放たれる。 みょんのままのであったさとりの反応速度は速く、石礫を刃で弾きかわす。 すかさず間合いを詰め寄るさなえ。 かわせない! さとりの脳裏に戦慄が走る。 『さとり~たすけにきたんだぜ~このまりさにまかせれば、ひゃくゆっくりりきなんだぜ~ でひゃくっていくつ?』 完全に空気の読めていない能天気なまりさの台詞が緊迫した空気を壊す。 『こ・・の・・・この・・・むのうものぉぉぉぉ!!!!』 さなえの石礫がまりさに向けられた。 『ま・・・まりさ・・・だめぇぇぇぇぇ! さなえぇぇぇぇやめてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!』 バシュゥ! この時、まりさには自分に飛んでくる、石礫がとてもゆっくりに見えた、 『ゆん♪こんなゆっくりないしさんなんかよゆうなんだぜ~ゆゅ?』 かわそうと思うのだが身体が動かない、目線を変える事すらできない、 石は真直ぐにまりさに向かって飛んでくる。 『ゆゅ?どうなってんだぜ?まりさのあんよさんゆっくりしないでうごいてね? ゆっくりしてたら、まりさゆっくりできないよ?ゆ?ゆ?』 バチュゥゥゥゥバスン! 石礫はまりさを突き抜けていった。 『いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!』 まりさの顔中央には小さな穴が開いていて、まりさは即死だった。 さとりは発狂しそうになる。 野垂れ死にそうになったいた自分を助けてくれたまりさ、 常に群れから浮いている自分を支えてくれたまりさ、 どんなに苦しい時も周りを明るくしてくれたまりさ、 そのまりさが今、目の前で死んだのだ。 さとりの中で何かが吹き飛んだ気がした。 そう感じた時にはさなえに襲いかかっていた。 『さなえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!』 『さとりぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!』 両者狂乱となって戦う、片や恩人を亡くし、片や戦友を亡くしたのだ! 憎しみが炎となって2匹を包み込む。 2匹が夢中になって戦っているうちに、砂浜でなく磯まできてしまった。 ゴツゴツした岩は2匹の足を傷つけていく、 だがそんな痛みも2匹を止める事はできない、 やがて高台まで戦場を持ってくる。 下には白波立つ海、そしてこの高さ、 落ちれば無事には済まないであろう。 『しねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!』 狂乱と化し言葉すら乱れたさとりの一撃をかわすさなえ、 その刹那、さなえはさとりの髪に噛み付いた。 そして岩下の海へさとりごと飛び込んだ、心中覚悟の決死の行動であった。 2匹は重力にさからう事で出来ぬまま落下していく、 さとりはふらんへ変化しようとした、 だがそれは叶わなかった。 『きめいまるのかたきぃぃぃぃぃぃぃ!!!』 さなえが空気を含み、それを礫として放ってきたのである。 それは殺傷能力は無いものの、それはさとりに動く余裕を奪うのに十分であった。 そして運命の女神はさなえに微笑んだ、 その空気砲が反動となってさなえを岩へと押し戻したのである。 岩の中腹あたりに引っかかるように残ったさなえは、さとりが消えた白波立つ海を呆然と眺めていた。 勝ったのだろうか? 全ての力を出し切り、もぉ動く事もできない、ただ呆然とするだけであった。 あーくえんぜるさんを狙ったドスまりさは苦戦していた。 ドススパークが当たらないのだ。 いくら連射出来ても相手は常に動いているのだから、体勢を固定しないと打てないドススパークでは当てようがない、 『くそぉ!あたるんだぜぇ!!なんであたらないんだぜぇ!!』 必死になって連射を続ける。 そして罠にかかった。 『ゆ?ゆぅぅぅぅぅぅ?』 ドスン 坂に誘き出されて足場を失ったのだ、そこに止めの一撃が入る。 『いまだみょん!いけぇぇぇぇぇぇぇ!!』 『わがっだんだよぉぉぉぉぉ!!!』 ドーーン!! 『ゆゅ・・・ぎゅぎゅ・・・・・・・』 ドスまりさは、あーくえんぜるさんの体当たりを喰らって気を失ってしまった。 こうして1匹の死傷者と、1匹の行動不能者、 そして1匹の行方不明者を出してしまった希少種は、撤退を与儀なくされてしまった。 『ゆうか!ここはてったいする。いまはひくんだ!』 『く・・・・・おぼえてなさいぃぃ!!!』 仮面まりさの指示で退却を始めるゆうか、それをスィまりさが追う。 『まつんだよ!にがさないよ!』 ブシュゥ!! ドーーーン 仮面まりさの放った石礫が砂浜に砂煙を上げる。 『ゆ”ゅ・・・ぶぇへっへっへ』 砂が目や口に入りたじろいだスィまりさを残して、希少種は撤退してしまった。 だがまだ終わっていない、捕虜がいるのだ、 気を失ったドスまりさから茸を奪い拘束する。 海岸に落ちていたロープでグルグル巻きにして動きを奪い、ドスまりさの乗っていたスィーに括り付けて、 あーくえんぜるさんに繋いでおいた。 こうして希少種の奇襲は失敗に終わった、 だがいくら待っても、さとりとその援護に向かったまりさが帰って来ないのだ。 『むきゅう・・・・こんなにくらくてはさがせないわ・・・ あささんがくるまでここでまちましょう・・・・』 夜になってしまったので、捜索は明朝にする事となり群れはここに野宿する事になった。 『まりさ・・・・さとり・・・・だいじょうぶよね?れいむのおもいすごしだよね?』 不安にかられ眠れずに過ごすれいむ、 まさかその予感が的中していようとは気付かないまま2匹の帰還を待つのであった。 続く ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー フラグ回避も考えたのですが、どちらにしても苦情はありそうだった沿う方を選びました。 一応、誤字はチェックしてはいるのですが、僕の使っている言語自体に間違いがあるのか、 毎回修正しきれていません。 勘弁して下さい。 これまで書いた物 ふたば系ゆっくりいじめ 1097 ゆ虐ツアー ふたば系ゆっくりいじめ 1111 ゆ虐ツアー お宅訪問編 ふたば系ゆっくりいじめ 1116 雪原のまりさ ふたば系ゆっくりいじめ 1122 ゆヤンワーク ふたば系ゆっくりいじめ 1129 まりさの思い出 ふたば系ゆっくりいじめ 1152 まりさとつむり ふたば系ゆっくりいじめ 1154 ゆっくり種 ふたば系ゆっくりいじめ 1156 ゆっくり種2 ふたば系ゆっくりいじめ 1160 まりさとおにいさん トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る
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川原の石を踏み、がりがりとした感触を楽しんでいると、足元にゆっくりの死体を見つけた。 皮が破れ、餡子が漏れ出しているが、綺麗な金髪と帽子からまりさ種とわかる。 周りで数匹の蟻が、大量にこぼれた餡子を巣に持ち帰ろうと、あくせくと働いている。 何が原因で死んだかはわからないが、ゆっくりは本当に些細な事で死んでしまうような 脆弱な生き物なので、このように死体を発見する事も日常茶飯事だった。 だがこの死体の側には、珍しくもう一匹、死体に見えないゆっくりが居る。 金髪と瞳の色から、死体と同じまりさ種とわかるが、お馴染みの黒い帽子が無く 代わりに三角の白い頭巾を額につけている。幽霊のような格好だが半透明ではない。 寝ているのか起きているかもわからない、半分だけ目を閉じた表情で、 口元をわずかに微笑んでいるかのように閉じたそのまりさは 呼吸もしていないかのように微動だにしていない。 こんな所で帽子も被らず動かないゆっくり、まさかこいつも死んでいるのだろうか。 頭巾のまりさの前にしゃがみ込んで、頬を軽くつついてみると、 ゆっくりのもちもちした肌の感触が返って来る。体温とでも言うのか、温度も冷たくは無い。 つついている内に、頭巾のまりさの意識が戻ってきたのか、 眠りに落ちた人間がまれに見せるような、ビクッと震える反応を見せた。 そのまま、少しびっくりしたような表情でこちらを見つめてくる。 「…ゆっ?ゆ…ゆっくりしていってね!」 「あ、ああ、ゆっくりだな」 頭巾のまりさは挨拶を返してもらった事に、満足したかのように軽く微笑むと きょろきょろと左右を見回し、自分の横に落ちている皮と餡子の塊に目を向けた。 すぐ横に居たのだが、もしかしてこの頭巾のまりさが殺したのだろうか。 頭巾のまりさは同族の死体を見るなり少しだけ寂しげな表情をした後、 ずりずりと餡子に口を近づけ、何を思ったか蟻のたかる餡子を食べ始めた。 「むーしゃ、むーしゃ…」 「お、おい!」 「ゆ?どうしたの?」 「お前、ゆっくりの餡子でも食べるのか?」 冬篭りで餌が足りなくなるとか、わざと絶食させるとかで共食いを始めるという話も聞くが まだ冬でもなければ連れ帰って虐待している訳でもない。 この頭巾のまりさはどこかで餡子の味を覚えて、食べる為に死体のまりさを殺したのか? 「これはまりさのからだだよ?まりさのからだをどうしようとまりさのかってだよ!」 「? どう言う事だ?」 「わからないの?ばかなの?」 言っている意味がわからず聞き返すと、頭巾のまりさは半笑いの呆れ顔を返してきた。 腹が立つので皮を千切らない程度に頬をつねってやる。 「ゆ゛っ!?なにずるの!?まりざはまりざだよ!」 「ええと、お前が、これなのか?」 頬をつねったまま、頭巾のまりさと死体のまりさを順に指差して確認する。 「そうでずぅぅ!だがらはなぢで!」 幽霊のように白い三角頭巾をつけている変なゆっくりだとは思ったが、 まさか死体と自分が同一人物だと主張してくるとは。 頬から指を離してやると、まりさは涙目になりながらぷくぅぅ!と膨らんで威嚇してくる。 「つまり、この死体のまりさが死んだ後、お前になったのか」 「ぷひゅるる…そうだよ?」 「その、なんだ、ゆっくりは自分の体なら食べても平気なのか?」 「ゆ?あまくておいしいよ?」 さも当然のように答えてくる、美味しければいいのか。 ゆっくりのいい加減さなのか、弱い生き物が食料を得る為には仕方がないのか。 多分いい加減の方なんだろうなぁ、と考えていると、まりさはまた死体を食べ始めた。 「むーしゃ、むーしゃ…しあわせー!」 定番のセリフを言うや否やまりさは顔を上に向け、ふわふわと宙に浮き上がる。 天にも登る程幸せなのか、と言うかゆっくりは空を飛ぶ生き物だったのか? 「な、なあ」 「ゆ?」 「何でお前は浮かんでるんだ?」 頭の上に?を浮かべたような表情でこちらを見てくるまりさだが、 視点が高くなった事と浮遊感から、やっと自分が浮かんでいると気付いたようだ。 「わあ!おそらをとんでるみたい!」 「いや、実際に飛んでるんだ。他のゆっくりも飛べるのか?」 「…しらないよ?」 懲りずに半笑いの呆れ顔を返してくる。あまりにも人を馬鹿にした表情に腹が立ち、 おいィ!と鞠をつく要領で頭を叩くと、まりさは勢い良く地面に叩きつけられた。 「ゆべっ!いだい゛ぃぃ!なにずるの゛ぉぉ!?」 痛みからしあわせー!な気分が抜けたのか、まりさは地面に叩きつけられたまま浮かんで来ない。 ひとしきり泣き喚くと、ゆんゆんと小さく泣き声を上げながら、ゆんしょとばかりに立ち上がる。 芝生なら痛いだけで済んだのだろうが、川原の石の上に叩きつけられたので皮が破れていたようだ。 起き上がった拍子に後頭部の傷からどろりと餡子がこぼれ落ちる。 「ゆ゛ぎっ?せなかがいたいよ!なんでぇぇ!?」 「ん?…あちゃあ、大きい傷から餡子がこぼれてるな」 「ゆ゛ぅっ!?ゆっくりできないよ!はやくなおしてね!」 「うーん、直そうにも、材料もジュースも無いな…」 「ゆ゛ええぇ!?おね゛がいだがらなおぢでぇぇ!」 まりさは顔を青くしてじたばたと体をゆするが、暴れる事でますます餡子が漏れていく。 だんだんと痙攣するような動きを見せ始めたまりさは、仕舞いには白目を剥いて、 「ああ、そんなに動くと…」 「も…もっと…ゆっくりした、かった…」 動かなくなってしまった。幽霊なのにまた死ぬのか。 先ほどまで暴れていたゆっくりが動かなくなった為、新しく地面に落ちてきた餡子にも ちらほらと蟻がやって来る。1匹分の餡子が追加されれば蟻も大喜びだろう。 そんな様子を眺めながら、さっきのゆっくりは一体なんだったのかと考えていると、 「ひゅー、どろどろどろどろ…」 「!?」 帽子の死体と頭巾の死体の更に横、一直線に並んだ位置から声が聞こえ、 半透明の丸いシルエットが現れた。半透明ながらも長い髪と三角の頭巾が見え、 後ろの風景が透けて見える体も次第にはっきりとした色へと変わっていく。 「どろどろどろどろ…じゃーん!」 「…またお前か」 完全に透明度を失った所で、新しく登場したまりさは胸を張って叫んだ。 じゃーん!って自分で言うのか。 「ゆー、しぬかとおもったよ」 「実際死んだと思うんだがなぁ」 華麗な復活を褒められたとでも思ったのか、まりさはゆへへ、と笑い 再び自分の体、頭巾を付けた出来立ての死体へずりずりと口を近づけていった。 また食べるのか、死んで幽霊になると腹が減るのだろうか。 そんな考えをよそに、まりさが一口二口と餡子に口を付けたところで、 「そこまでよ!」 「したいをたべてるんだね、わかるよー!」 「それにぼうしをかぶってないんだぜ!ゆっくりしてないやつだぜ!」 共食いにしか見えない光景をぱちゅりー、ちぇん、帽子付きまりさに目撃されてしまった。 「ゆっ?これはまりさのからだだから、まりさがどうしようとかってだよ!」 「? わかんないよー!?」 「むっきゅ!よくみたらふたりもころしてるわ!」 「ひどいやつだぜ!ゆっくりできないやつはしぬんだぜ!」 「ゆっ、ゆうぅ!?」 突然現れた同族からの、激しい非難に困惑する頭巾のまりさ。 やはり他のゆっくりから見ても、自分の体であれ共食いは異常な事らしい。 それ以前に目の前の死体と、それを食べるまりさが同一人物だと気付いていないようである。 「むっきゅっきゅ!せいぎをしっこうするのよ!」 「ゆっへっへ!くるしんでしねぇっ!」 「わかるよわかるよー!」 「ゆっ、やめてね!まりさはわるくないよ!?」 3匹のゆっくりは、川原に転がる石を咥えては次々と頭巾のまりさに投げつける。 その全てはコントロールの悪さから、頭巾のまりさよりもずっと手前に落ちるが、 頭巾のまりさは滑稽にもぴょんぴょん跳ねて、届かない石を避けようとしている。 だが、ゆっくりにとっては足場の悪い川原で飛び跳ねた事で、自分で足を傷つける結果となった。 「ゆがっ!いだいぃ!」 「ちゃんすだね!わかるよー!」 「わるものにとどめをさすんだぜ!」 「むきゅ!ちかづいておしつぶすのよ!」 頭の良いぱちゅりーは投石が届いていない事に気付いたのだろう。 指示通りにちぇんとまりさは、頭巾のまりさに勢い良く迫ると一方的な体当たりを始め、 ぱちゅりーは体力が低く走れないのか、その場から動かずに見物している。 「ゆへへへへっ!しねっしねっ!」 「しぬんだよー!わかってね!」 「やっやべっ、やべでっ!ゆぼぉっ!」 足を傷つけ抵抗の出来ない頭巾のまりさは、2匹からの挟み込むような猛攻に成すすべも無く 餡子を吐き、再び皮と餡子と頭巾の塊へと成り果てた。 荒い息を立てる2匹のゆっくりは、悪者を退治したと達成感をあらわにし、 離れた場所で見ていたぱちゅりーも満足げに、ゆっくりと近づいて来た。 「ゆへー、ゆへー、やってやったんだぜ!」 「わ、わ、わかるよー!」 「むきゅ!これでむれもへいわになるわ!」 悪いまりさを懲らしめるのに夢中になっていたのか、3匹は頭巾のまりさの側で 黙って見ていた人間にやっと気がつき、揃ってこちらに顔を向けて来る。 「ゆっ、わるいゆっくりをやっつけたまりさたちにごはんをよこすんだぜ!」 「そうね!ぜんこうをはたらいたわたしたちには、せいとうなほうしゅうがはらわれるべきだわ!」 「わかるよーわかるよー!」 「さっきのまりさ、そんなにゆっくり出来ない奴だったのか?」 「むきゅ、わたしのめにまちがいはないわ!」 頭巾のまりさを倒したからご褒美をくれ、と言うことらしいが、畑を襲った訳でもないゆっくりを倒しても 人間には何の特にもなっていない。人間に向かって報酬をよこせとは勝手な話である。 それでも自信満々で胸を張っている3匹の横に、半透明なシルエットが現れた。 「ひゅー、どろどろどろどろ…」 「またか」 「ゆゆ、な、なんなのぜっ?」 「むきゅう、なんだかさむけがするわ…!」 「わっ、わからないよー!?」 3匹のゆっくり達はすぐ側から聞こえてくる滑稽な擬音語に、落ち着かない表情で怯えている。 間の抜けた声だが、ゆっくりには怖く聞こえるものなのだろうか。 頭巾のまりさの緊張感の無い顔を見れば落ち着くかも知れないと、帽子のまりさの頭をぽんぽんと叩き、 だんだんと透明さを失っていくシルエットの方を指差してやる。 「ゆっ?」と指差した方を見た帽子のまりさと頭巾のまりさの目が合った。 「どろどろ…じゃーん!」 「ゆっ!?ゆぎゃあああぁぁぁ──!?!?」 「!? おっおっ、おばけぇぇ!?」 「わっ、わかっ、わかっ、わかに゛ゃぁぁぁ!」 「ゆ、ゆゆっ?」 はつらつな笑顔でじゃーん!と叫ぶ頭巾のまりさに、絶叫を上げる帽子のまりさ。 それを聞いたぱちゅりーとちぇんにも恐怖が伝染し、2匹も続けて絶叫を上げる。 頭巾のまりさだけが、他のゆっくりが絶叫を上げる事態について行けない様子である。 「もうやだぁぁぁ!!」 「わがにゃぁぁぁぁん!!」 「むっ、むきゅ、まって、おいてかないで…!!」 「もうおうぢがえる!ぱちゅりーはゆっくりおとりになってね!」 「む、むきゅぅぅっ!?」 帽子のまりさとちぇんが我先にと逃げ出すが、ぱちゅりーは腰が抜けたのかその場から動けない。 助けを求める仲間に、帽子のまりさは泣いて逃げながらもちゃっかりと追い討ちをかけて行く。 そんなまりさとちぇんも、慌てて川原を走った為足に傷を負って転げまわってしまった。 「ゆっ、ゆぎゃぁぁぁ!いだい゛!たずげでぇぇぇ!」 「わぎゃんにゃいよぉぉぉ!!」 「むっ、むきゅぅぅぅん!むきゅぅぅぅん!」 「ゆゆ…いったいどうなってるの?」 「…本当にどうなってるんだ」 まりさとちぇんから見捨てられたぱちゅりーも、もはや泣く事しか出来ない。 先ほど自分を痛めつけた相手が、勝手に怯えて逃げながら自滅する様に、頭巾のまりさも 訳がわからずおろおろするばかりで、事態は進展せずただただ騒音が流れるのみとなる。 余りにも騒がしいし、それに他のゆっくりも幽霊になるのか確認したい。 おもむろに立ち上がると、近くに居るぱちゅりーから踏み潰していく事にした。 「むきゅぅぅぅん!むきゅぅぅうべっ!!!」 「わかんにゅぶ!!!」 「う゛わ゛ぁぁぁぁん!わ゛ぁぁあ゛ぐっ!!!」 少しだけ離れた所で転がっているちぇんとまりさにも平等に引導を渡し、 様子を見てみるが一向にゆっくりの幽霊が出てくる気配は無い。 ただ呆然としている頭巾のまりさと、更に餡子が量産されて大喜びの蟻がいるだけである。 「やっぱり、生き返るのはお前だけか」 「ゆ?」 何の話か理解していない頭巾のまりさは少し考え、 「ゆっ、まりさをいじめるわるいゆっくりをたおしてくれたんだね、ゆっくりありがとう!」 「ん?あ、ああ」 自分に都合の良いように解釈したようだ。笑顔でこちらに跳ねてくる。 ちゃんとお礼を言うし、人懐っこくていいゆっくりじゃないか、と思いきや 「まりさおなかがすいたよ、ごはんちょうだい!」 「……」 自分を助けてくれるとみるや、にこにこ笑顔で余計な要求までしてきた。 やはりゆっくりはゆっくりである。 「さっきみたいに、自分の体を食べれば良いんじゃないのか?」 「ゆー?あんまりあんこばっかりだとあきるよ?」 飽きるのか。やはり半笑いの呆れ顔を見せてくるが、死んでも復活する珍しいまりさ種なら 連れて帰って里の人に見せるのも面白いだろう。つねりたくなるのを我慢して餌付けしてやる事にする。 都合の良いことに、外で食おうとおにぎりを持って来ていたのだ。 「それなら、おにぎりでいいか?」 「ゆっ!おにぎりたべたい!ちょうだい!ちょうだい!」 よだれを垂らして見上げて来るまりさの口に、おにぎりを半分に割って放り込んでやる。 「むーしゃ、むーしゃ」 具こそ入っていないが、少量の塩をふったおにぎりの、餡子の甘みとは違ったうまさに 満面の笑みを浮かべるまりさ。自分の欲求がまかり通ってこれ以上無い程の至福をかみ締めている。 「むーしゃ、むーしゃ、し…」 「どうした?」 しあわせー!と宣言しようと顔を上向きに上げた瞬間まりさは動きを止め、 「おげろぉぉぉ!」 「お、おい!」 突然目を見開いて餡子を吐き出し、痙攣し始めた。 「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆげっゆげっ」 がくがくと震えながら、目から大粒の涙をぼろぼろと流し、地面に接した足から 酸をかけたかのようにじゅわじゅわと泡を立てながら溶けていく。 「ゆ゛げっ、ゆ゛げっ、ゆ゛っぐり、で、でぎな゛い゛ぃぃぃぃ!」 そう言うとまりさの目玉はぼろりとこぼれ落ち、地面に落ちると、じゅうと音を立てながら 溶けて消える。見る見るうちに頭髪も頭巾も、全てが溶けてしまった。 おにぎりにはゆっくりを殺すような毒も入っていない。ただ塩をふっただけの具なしおにぎりである。 ゆっくりは思い込みの強い生き物だが、幽霊を気取るとこんな少量の塩でも死んでしまうのか。 「…いい加減な生き物だし、また生き返るかな」 そこらに散らばる餡子をせっせとアリが運ぶ中、また笑顔で復活するかと待っていたが、 いつまで経っても頭巾のまりさは現れなかった。 おわり。 その他の作品。 ゆっくりいじめ系791 ゆっくりと瓶 (fuku2335.txt) ゆっくりいじめ系813 赤ちゃんのお帽子 (fuku2368.txt) ゆっくりいじめ系822 ドスの中身 (fuku2386.txt) ゆっくりいじめ系851 どちらかのお帽子 (fuku2437.txt) ゆっくりいじめ系873 べたべたのお肌 (fuku2467.txt) お帽子の人? 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